Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年4月24日 No.3175  提言「女性活躍アクション・プラン~企業競争力の向上と経済の持続的成長のために」公表 -森女性活力・子育て支援担当相に提言を手交

森女性活力・子育て支援担当相(右)に提言を
手交する大宮副会長(中央)、中川部会長(左)

経団連(米倉弘昌会長)は15日、提言「女性活躍アクション・プラン~企業競争力の向上と経済の持続的成長のために」を公表した。同日、大宮英明副会長・企業行動委員長と中川順子企業行動委員会女性の活躍推進部会長が森まさこ女性活力・子育て支援担当相を訪問し、提言を手交。森担当相は経団連が率先して女性活躍に取り組むことの波及効果は大きいとして、提言を歓迎した。

提言ではまず、女性の活躍推進は企業の競争力向上を通じた企業価値の向上、ひいては日本の経済社会の持続的成長を実現するための成長戦略であることを強調。(1)優秀な人材の確保(2)環境変化への対応力の向上(3)日本の経済社会の持続的成長――の3点をメリットとして挙げている。

次に現状の課題を四つに整理。まず、「継続就労」は、大企業を中心に改善傾向にあるが、保育サービスの不足や転勤に伴う退職などの課題が存在。次に、「役員・管理職登用」は、諸外国に比べ遅れており、その要因として、女性のキャリア意識の低さやキャリア形成の遅れ、管理職の意識、長時間労働の慣行などを指摘。また、社会全体の課題として「男女の固定的役割分担意識」と「理工系女性人材の育成」を挙げた。

今後、企業、政府などに求められる具体的な取り組みは次のとおり。

  1. 1.企業による自主行動計画の策定・公表(企業)
    各企業がそれぞれの状況を踏まえ、自主的かつ積極的に行動計画を策定・公表することが望ましい。(企業の状況は、さまざまであるため、役員・管理職等の女性割合等についての一律の目標設定や数値のみの比較は適切ではない)

  2. 2.キャリア意識の向上(企業)
    キャリア研修の充実や、女性社員が置かれている状況に応じた多様なロールモデルの提示等

  3. 3.キャリア形成支援(企業)
    昇格時の査定対象期間からの産休・育休期間の除外や、キャリア形成機会の積極的な付与等

  4. 4.管理職層の意識・マネジメント改革(企業)
    女性社員特有の行動傾向を踏まえたコミュニケーションやマネジメントの継続的な啓発

  5. 5.働き方の見直し(企業・政府)
    企業は長時間労働慣行の是正や男性の育児休業取得を推進。政府は在宅勤務制度や裁量労働の活用に向けた環境整備を早期に実現

  6. 6.経済社会環境を踏まえたキャリア教育の充実(企業・政府・大学)
    男女問わず、就業前の教育段階からキャリア教育を充実

  7. 7.働き方に中立的な税・社会保障制度の検討(政府)
    配偶者控除・配偶者特別控除や国民年金の第3号被保険者制度等、働き方に中立的な税・社会保障制度のあり方の検討に着手すべき

  8. 8.待機児童の解消に向けた一層の取り組み(政府)
    「待機児童解消加速化対策プラン」の着実な実行により、待機児童解消を前倒しで実現すべき

  9. 9.理工系女性人材に関する取り組み(企業・政府・大学)
    小・中・高校教育のカリキュラムに、(1)科学技術と社会の密接な結び付き(2)理工系のキャリアに関する正しい情報――を組み込むべき

さらにこれらの取り組みの促進に向けて、経団連が進める五つのアクション・プランは次のとおり。

  1. (1)会員企業により開示された女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画を、経団連のウェブサイト上に公開

  2. (2)女性管理職候補が社外で研鑽を積み、人的ネットワークを構築する機会を提供するため、女性管理職養成講座を開講

  3. (3)管理職を対象に、女性活躍の必要性を再認識し、誰もが能力を発揮できるマネジメントのあり方について考える「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」を定期的に開催

  4. (4)就業前のキャリア教育の充実のため、企業人を学校へ派遣するなどして貢献

  5. (5)産官学が連携のもと、企業で活躍する理工系女性社員の紹介パンフレットの作成や複数企業をつないでの大規模なイベントを実施

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/029.html 参照

【政治社会本部】