Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年5月15日 No.3176  オメルゼル・スロベニア・インフラ空間計画相一行と懇談 -エネルギー分野やインフラ整備での協力に期待を示す

オメルゼル・スロベニア空間計画相(左)と
横山ヨーロッパ地域共同委員長

経団連の横山進一ヨーロッパ地域委員会共同委員長は4月23日、東京・大手町の経団連会館で、スロベニアのサモ・オメルゼル・インフラ空間計画大臣一行と懇談した。横山共同委員長から、日EU経済連携協定(EPA)の重要性を説明したところ、スロベニア側から、EPAはスロベニアと日本の経済関係強化につながるものと認識しており、早期実現を全面的に支持するとの発言があった。オメルゼル大臣の主な発言は次のとおり。

スロベニアにとって、日本との経済関係強化は重要な課題である。すでに両国間には良好な関係が築かれているが、これをさらに深化させたい。特に、エネルギー分野やインフラ整備において有望な投資機会がある。

エネルギーに関して、スロベニアはこれまで化石燃料の輸入に多くを依存してきたが、今後は国内生産を含め供給源の多角化に向けて舵を切る。新規原子力発電所の設置や水力発電所の開発への投資を期待したい。また、省エネルギーの観点から、スマートグリッドの導入や電気自動車の普及も重要性を増しており、こうした分野で両国企業がジョイントベンチャーを設立し、欧州市場に売り込むことも考えられる。

インフラに関して、現在、欧州では汎欧州運輸網の構築が進められている。そのなかで、地中海からロシア方面に向かう第5回廊と、ドイツからトルコ方面に向かう第10回廊がスロベニアを通過している。日本企業には、こうしたインフラ整備にも注目いただきたい。

あわせて、国営企業の民営化や各種規制緩和にも着実に取り組んでいるところである。

EU内で、スロベニアは決して大国ではない。一方で、大国ではないからこそ、変化に合わせて素早く行動できる面もあり、これはビジネス環境の整備においてアドバンテージとなる。今後、高い技術と優れたビジネス文化を有する日本企業との間で協力が進むことを期待する。

【国際経済本部】