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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年10月2日 No.3194 平成26年版防衛白書に関する説明会を開催

経団連は9月11日、東京・大手町の経団連会館で、平成26年版防衛白書に関する説明会を開催した。防衛生産委員会の水谷久和総合部会長が司会を務め、防衛省の萬浪学・大臣官房企画評価課長から防衛白書のポイントについて説明を聞き、意見交換を行った。概要は次のとおり。

◇◇◇

平成26年版の白書は刊行40回目にあたる記念号として作成。これまでのIII部構成からIV部構成に変更し、写真や図表を充実させ、防衛産業の技術力や女性自衛官の活躍などのトピックスをコラムで解説している。

■ わが国を取り巻く安全保障環境

わが国を取り巻く安全保障環境は、さまざまな課題や不安定要因がより顕在化・先鋭化してきており、一層厳しさを増している。

北朝鮮は、体制を維持するうえでの不可欠な抑止力として核兵器開発を推進しており、スカッドミサイルの射程にはわが国の一部が入る可能性がある。弾道ミサイルの長射程化等を実現した場合、軍事的挑発行為の増加につながる可能性がある。

中国は、東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域などにおいて活動を急速に拡大・活発化させている。昨年11月に東シナ海防空識別区を設定した措置は、不測の事態を招きかねない非常に危険なものであり、今年5月と6月には、中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接近した。中国の公表国防費は過去10年間で約4倍となったが、具体的な軍事動向は不透明である。

ロシアによるクリミアの編入は力を背景としており、アジアなどにも影響を及ぼすグローバルな問題である。

■ わが国の安全保障・防衛政策

今年7月1日、政府は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行った。これはわが国の平和と安全を一層確かなものにしていくうえで、歴史的な重要性を持つものである。

また昨年12月、わが国の外交・防衛政策の司令塔として国家安全保障会議が創設され、同月に国家安全保障に関する基本方針である国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を閣議決定した。

■ わが国の防衛に関する施策

島嶼防衛のため、南西地域の部隊を増強するほか、陸上自衛隊には水陸両用作戦機能を備えた「水陸機動団(仮称)」を設立する。

日米同盟の強化はこれまで以上に重要となり、今年末までに日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直し作業を完了させる。

■ 防衛力の能力発揮のための基盤

今年4月に防衛装備移転三原則が定められ、防衛装備品の海外移転に関する基準や手続きなどが明確化された。

防衛省が6月に策定した「防衛生産・技術基盤戦略」では、防衛装備品の取得方法についての考え方、防衛生産・技術基盤の維持・強化のための施策などが示された。

<意見交換>

「防衛省として、宇宙利用を一般にどう広めていくのか」との委員の質問に対し、萬浪氏は、「他国では安全保障に宇宙を利用するのが一般的である。すでに通信衛星などを利用しており、防衛省としてはそうした取り組みを広報していきたい」と答えた。

【産業技術本部】

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