Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年10月30日 No.3198  ライフイベントごとに必要とされる生活産業で議論 -生活産業委員会

経団連は17日、東京・大手町の経団連会館で生活産業委員会(高原豪久委員長)の初会合を開催した。

少子化・高齢化の進むわが国において、持続的な経済成長を実現するとともに、国民が安心して快適な生活を送ることのできる環境を整備するためには、医療、介護、保育、教育、健康促進、外食・中食、宅配・通信販売、冠婚葬祭等の生活関連産業について、生活者の視点を踏まえたうえで、その活性化に向けて議論を深めることが必要となる。経団連では、こうした認識のもと同委員会を新設し、国民生活を支える産業のあり方について議論を深めることとした。

初回となる今会合では、佐野紳也・三菱総合研究所事業予測情報センター研究主幹から、生活産業の現状について説明を聞いた。

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佐野氏は、三菱総合研究所が実施している「Market Intelligence & Forecast(mif)」という生活者3万人を対象とする定量的なパネル調査、および「Marketing Research Online Communities(MROC)」という生活者の本音を探る定性的な調査に基づき、特に結婚・出産など、人生の節目となる出来事(ライフイベント)への女性の本音を中心に、具体例を挙げながら説明。ライフイベントが大きく変化しつつあるなか、「晩婚化や晩産化等により、親世代とはライフコースが変わってきている。ライフイベントそのものに関する消費だけでなく、そのイベントへの準備といった『事前消費』や、イベント後の生活やストレス解消のための『事後消費』などにもビジネスの機会は広がっている。例えば出産にしても、出産前後にきめ細かく対応するといった具合に、新たなビジネスチャンスがある」と指摘した。

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当日はあわせて、今後の委員会の活動方針について議論した。出席者からは、「高齢化が進行している日本では病気にかかわるライフイベントに注目することが重要」との意見があった。同委員会では今後、就学、就職、結婚、出産、子どもの教育、退職、介護、相続といったライフイベントごとに必要とされる生活産業の現状・課題について整理したうえで、必要な施策を提言として取りまとめる予定である。

【産業政策本部】