Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年1月8日 No.3207  デジタル・ビジネス時代に必要な幹部人材育成についてCeFILから聞く -情報通信委員会高度情報通信人材育成部会

経団連の情報通信委員会高度情報通信人材育成部会(重木昭信部会長)は12月15日、高度情報通信人材育成支援センター(CeFIL)の横塚裕志理事長を招き、「デジタル・ビジネス研究所(仮称)」の設立に向けた提言等について説明を聞いた。CeFILは経団連の有志企業11社により2009年に設立。昨年6月、横塚氏が新理事長に就任し、新たな取り組みとして、経営幹部、中堅幹部向けの教育プログラムを開発・実施する研究所の必要性を打ち出した。説明の概要は次のとおり。

◇◇◇

デジタル化により従来型ビジネスが変化し、業態淘汰や転換が促されるなか、IT投資領域についても生産・流通を管理する供給サイドの視点から、サービス・事業開発やマーケティングなど、需要サイドの視点をもってイノベーションを創造する新しい領域に目を向けなければならない。

一方、日本の経営者は米国の経営者に比べてクラウドやビッグデータに関する認識が進んでいないとする調査結果がある。

そこでデジタル・ビジネスを理解し、情報を活用して事業を創造できる経営者や中堅幹部を育成する研究教育機関の設立が必要であると考えた。「デジタル・ビジネス研究所(仮称)」では諸外国の事例を参考に、デザインシンキングなどを方法論とする教育プログラムを開発し、国内外の大学(研究教育セクター)、企業(民間セクター)、行政機関と提携・協力しながら研究・教育活動を推進していく。まずは試行的に、15年の1月と2月に「デザインシンキング・ワークショップ」の開催を予定している。

同ワークショップは4日間の集中プログラムであり、国家戦略としてデザインシンキングの活用を図っているシンガポールにおいてキーパーソンの役割を果たしている専門家にプログラム作成への協力と講師を依頼している。技術系だけでなく、文科系の幹部候補生にも受講していただきたい(詳細はCeFILのホームページ参照)。

<意見交換>

委員である外資系企業から、デザインシンキングに対する自社の取り組みについて発言があった。同社では、交代した経営トップの指示により、全世界16万人の社員全員にデザインシンキングの研修を受けさせることとしており、3カ月前に管理職から始めてすでに5300人が受講している。

【産業技術本部】