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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年12月3日 No.3249 ポポスキー・マケドニア外相、ライチャーク・スロバキア副首相兼外務・欧州問題相と懇談 -日本企業による一層の投資を期待/ヨーロッパ地域委員会

経団連のヨーロッパ地域委員会(佐藤義雄委員長、石塚博昭委員長)では、佐藤委員長が10月28日にマケドニアのニコラ・ポポスキー外務大臣と、石塚委員長が11月24日にスロバキアのミロスラフ・ライチャーク副首相兼外務・欧州問題大臣と、それぞれ東京・大手町の経団連会館で懇談した。
両大臣の発言の概要は次のとおり。

■ マケドニア=ポポスキー外相

ポポスキー・マケドニア外相(右)と
佐藤ヨーロッパ地域委員長

マケドニアは最近10年間でダイナミックな経済成長を遂げている。200万人強という少ない人口にもかかわらず短期間で急成長した背景には、EU市場への近接という地理的優位性に加え、積極的な構造改革の実施、CEFTA(中欧自由貿易協定)への加盟など欧州各国とのFTAの締結を通じた貿易投資の推進がある。法人税率は一律10%であり、労働、物流等にかかるコストも低いことから、米国やドイツの多国籍企業が相次いでマケドニアへの投資を決定している。

外交面では、引き続きEU、NATO(北大西洋条約機構)への加盟実現が最優先課題である。また、現在、貿易の9割がドイツほか欧州域内との取引だが、今後は欧州域外との経済交流の深化に尽力していく。昨年10月に駐日大使館を開設しており、日本とも今後さまざまな分野で協力を図っていきたい。

■ スロバキア=ライチャーク副首相兼外務・欧州問題相

ライチャーク・スロバキア副首相兼外務・欧州問題相(右)と
石塚ヨーロッパ地域委員長

欧州の心臓部に位置するスロバキアは、1993年にチェコと分離・独立して以降、2004年にEU、NATOに加盟し、09年にはユーロを導入するなど戦略目標をすべて順調に達成してきた。経済も高水準で安定的に推移しており、今年のGDP成長率は3%強となる見通しで、来年も同程度の成長が見込まれている。財政面でもEU財政基準を遵守するなど、EU加盟国のなかで最も良いパフォーマンスを示している国の1つである。投資環境も優れており、首都ブラチスラバはウィーンをはじめ欧州各国の首都に近接し、柔軟で技能水準の高い労働者を豊富に抱え、各種インフラが整備されている。

スロバキアは自動車産業が盛んであり、現在はポスト産業化の段階として、付加価値向上や知識ベース経済への移行に向けてスタートアップや研究開発支援に取り組んでいる。今後はこれらの分野で日本企業との協力を深化させたい。

現在およそ50社の日本企業がスロバキアに進出しており、引き続き投資家として真剣で健全な資本を有する日本企業を長期的なパートナーとして歓迎したい。日本とのさらなる関係強化に向けて、日スロバキア社会保障協定の早期実現を目指す。また、日EU EPAが互恵的な協定となることを重視しており、早期妥結に向けて交渉を力強く後押ししていきたい。

【国際経済本部】

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