Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年7月7日 No.3277  「第3回リーダーシップ・メンター・プログラム」開催 -自分のスタイルをつくり、力を発揮するリーダーたれ

講演する渡邉審議員会副議長(中央)

経団連は、女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として、6月30日、東京・大手町の経団連会館で「第3回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。メンターとして渡邉光一郎審議員会副議長を迎え、吉田晴乃・女性の活躍推進委員長を含め23名の女性役員が出席した。渡邉副議長からは、「第一生命のDSR経営とダイバーシティ&インクルージョン」について説明を聞くとともに、率直な意見交換を行った。
渡邉副議長の講話の概要は次のとおり。

第一生命は、あらゆる組織単位でPDCAサイクルを回しながら、一段高いレベルの経営品質を目指すことを経営方針とし、2001年には金融機関として初めて日本経営品質賞を受賞した。受賞後も、取り組みの進化にあわせて「CSR経営」、株式上場を機に、第一生命らしさをさらに発揮していくため「DSR経営(Dai-ichi's Social Responsibility、第一生命グループの社会的責任)」を打ち出している。

この経営品質経営のなかで、ダイバーシティ&インクルージョンを一体として進めてきた。第一生命では、経営品質向上のため、お客さま満足度に加え従業員満足度調査を実施しているが、04年度の調査で女性従業員の満足度が低下した。当時、人事部門を担当していた私は、お客さまに近い女性従業員の満足度の低下は重要な経営課題であると考え、両立支援策や能力向上に向けた育成支援策を整備するとともに、女性自身および男性上司を含めた意識改革を進め、経営に参画する視点を持ってもらうよう働きかけた。一人ひとりが経営に参画意識を持ったときに必要なのは、組織としてのビジョンである。目指すべきビジョンを明確にし、経営を「見える化」していくことが重要である。

DSR経営における成長戦略のエンジンは「人財価値」である。プロフェッショナルとして個人が成長し、チームワークをもって組織力を高める人財育成を心がけてきた。これに、一人ひとりの個性の発揮(人間力)が加わることで、組織は強くなる。このようにミッション・ビジョンに向かって、自分自身の個性を発揮し、経営に参画していくことが重要である。

皆さんはリーダーであり、皆さんの背中をみている人たちがたくさんいることを忘れないでほしい。自身がリーダーとしてどうしたいのか、明確なビジョンを立て、それを実現するための枠組みをどう組み立て回していくか、自分のスタイルをつくり、力を発揮することが重要である。

【政治・社会本部】