Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年2月23日 No.3305  統計関係府省担当者との意見交換を実施 -経済財政委員会統計部会

経団連は1月20日、東京・大手町の経団連会館で経済財政委員会統計部会(野呂順一部会長)を開催し、会員企業と各府省統計担当者による意見交換を行った。これは昨年4月公表の「公的統計の改善に向けた提言」で提案したもので、報告者・利用者の立場から改善策を検討する取り組みである。

冒頭、総務省の新井豊政策統括官(統計基準担当)から「EBPM(証拠に基づく政策立案)を支える政府統計の重要性は増しており、昨年来、統計の精度向上、ビッグデータの活用、公表の早期化等について検討を進めている。今後とも企業側と定期的、継続的に意見交換を行いたい」とのあいさつがあった。意見交換の概要は次のとおり。

■ 報告者の立場から

委員=ビッグデータ活用による公的統計の精度向上の期待が高まるなかで、データを提供する企業としては、それに協力することの必要性を認識する一方、個別情報の秘匿性維持等の課題も多い。現在の取り組み状況を教えてほしい。

総務省=総務省では昨年9月から大臣主宰の研究会を発足させ、新たな消費関連指標を検討しているなかでビッグデータの公的統計への活用を議論している。産学官連携の枠組みづくりや、適切なデータの補正・加工・匿名化等の方法を検討中である。

■ 利用者の立場から

委員=現行基準のGDPは1994年以降のデータしか存在しないが、経済の動きを長期的にみる場合には、さらにさかのぼってのデータが必要である。

内閣府=1980年からのデータについて要望があることは承知している。担当部局のリソースも踏まえつつ、遡及のあり方を含め検討したい。

委員=ユーザーにとって統計の公表予定日も重要な情報なので、GDP1次速報(1次QE)やその基礎統計の公表予定日を早期に発表してほしい。

内閣府=1次QEの公表予定日は基礎統計の公表予定日に依存するため、基礎統計の公表予定日が早めに発表されれば、1次QEの公表予定日の早期アナウンスも可能となる。

このほか、報告面ではオンライン化に関する課題、利用面ではe-Stat(政府統計の総合窓口)の利便性向上等について活発に意見が出された。

■ 平成28年経済センサス―活動調査について

総務省から、昨年6月1日に実施された「平成28年経済センサス―活動調査」に関し、調査の概要や回答負担軽減に向けた取り組みについて説明があった。

■ 「統計改革の基本方針」について

総務省から、昨年末に経済財政諮問会議で決定した「統計改革の基本方針」について説明が行われた。焦点であるGDP統計の精度向上、生産面を中心としたGDP統計への整備を進めるうえで、産業分類・商品分類の見直しや各種統計調査の拡充等、企業の報告負担につながる事項は経済界と相談しながら進める一方で、利用度の低い統計の整理・統合も検討するとの情報提供があった。

また、財務省から、同方針を受け、1次QE推計に間に合うように、法人企業統計四半期別調査の早期回収を予定しており、2019年度からの試験的調査の実施を検討しているので、具体案を固めて経済界と相談したいとの説明があった。

【経済政策本部】