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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年3月16日 No.3308 トランプ政権の最新の政策動向を聞く -アメリカ委員会

説明するパーヴェン氏

経団連は2月28日、東京・大手町の経団連会館でアメリカ委員会(石原邦夫委員長、村瀬治男委員長)を開催し、連邦行政府・議会に太いパイプを持ち、ワシントンDCで有力な法律事務所の1つと評価されているエイキン・ガンプ・パートナー弁護士のスコット・パーヴェン氏から、日米首脳会談の成果やトランプ政権の政策動向などについて説明を聞いた。パーヴェン氏の説明の概要は次のとおり。

■ 日米首脳会談の成果

日米首脳会談は、両首脳が個人的な信頼関係を築けただけでなく、麻生副総理とペンス副大統領をトップとする日米経済対話の設立を決めるなど大きな成果を挙げた。米国政権からは、ややもすると誤った対日認識に基づく批判がなされることがあるが、こうした誤解に基づく政策が採られないよう、経済対話を活用することが重要であり、経団連も対話の席に着くべきである。

■ トランプ政権の通商政策

トランプ政権の通商政策の優先課題は、二国間協定の締結、為替操作への対応、貿易赤字削減、通商協定の執行である。米国はTPP(環太平洋パートナーシップ)協定から離脱したが、同協定に対する連邦議会、経済界からの支持はいまだに高く、今後、巻き返しの可能性もある。NAFTA再交渉については、ビジネスに影響が及ばないよう、大きな修正は行わないのではないか。他方、米国の貿易赤字を削減すべく、為替操作国指定やスーパー301条の発動などを通じて是正を図る可能性が高い。

■ 税制改革、インフラ投資

共和党は、1980年代後半から抜本的な税制改革を求めてきた。今般の改革のなかでは、国境調整税が関心を集めているが、具体的内容は明らかにされていない。議会そして米経済界でも賛否両論あり、トランプ大統領も立場を明確にしていない。

インフラ投資は、トランプ政権の目玉政策だったが、移民制度改革や医療改革などほかの政策が優先されており、実施計画すら策定されていない状況である。しかし、即効的な雇用の創出あるいは老朽化したインフラの修復などインフラ投資は、国民に対して政権の実績をアピールするのに有効である。一方で、日本の高速鉄道技術等はこれに貢献するものであり、日米経済対話でも議論のトピックとなるだろう。

【国際経済本部】

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