Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年6月22日 No.3320  競技用義足の開発者らと交流 -長榮委員長が新豊洲Brilliaランニングスタジアムを訪問/オリンピック・パラリンピック等推進委員会

為末氏(右)からトラックの
説明を聞く長榮委員長

遠藤氏(左)から競技用義足の
説明を受ける長榮委員長

経団連のオリンピック・パラリンピック等推進委員会(豊田章男委員長、長榮周作委員長)では、企業経営者が各地を訪れ、アスリートやサポートするスタッフたちと交流する活動を展開している。その一環として5月22日、長榮委員長が、昨年12月に東京都江東区にオープンした「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」を訪問し、競技用義足を開発するベンチャー企業で同スタジアムに拠点を構えるXiborg代表取締役の遠藤謙氏や、元プロ陸上選手で現在同スタジアムの館長を務める為末大氏らと交流した。

新豊洲Brilliaランニングスタジアムは、全天候型60メートル陸上競技トラックにパラアスリートを支援するXiborgの義足開発拠点「Xiborg Lab」が併設された世界初のユニークな施設。「テクノロジーとコミュニティーの力で、だれもが分け隔てなく自分を表現することを楽しんでいる風景をつくる」が運営コンセプトとなっている。

長榮委員長は、遠藤氏、為末氏の案内で、トラックのほか、車椅子のままで使用可能なミストサウナ付きシャワールームやユニバーサルデザイントイレを完備したランニングステーションなどを視察。その後、Xiborg Labで遠藤氏から、Xiborg製義足の特徴の説明や開発にかける思いを聞き、競技用義足をつけて歩く体験もした。遠藤氏は、「義足のアスリートが100メートル走で健常者のアスリートのチャンピオンよりも速く走ることを夢見ている」と語った。また、「子どもたちが高価な競技用義足を気軽に借りて走れるような、『義足の図書館』をつくりたい」との思いを話すと、長榮委員長は、「私のやっている剣道でも、すぐに大きくなってしまう子どもに防具のレンタルが行われているが、まったく同じ考え方だと思う」と応じた。

また、長榮委員長は、訪問前日の5月21日に川崎市の等々力陸上競技場で行われた「セイコーグランプリ陸上2017川崎」で、Xiborgの義足をつけた米国のジャリッド・ウォーレス選手が男子100メートルT44(下肢切断)で優勝したことに触れ、「東京2020大会で義足のアスリートがさらに活躍するよう頑張ってほしい」と激励した。

【政治・社会本部】