Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年12月7日 No.3342  カナダビジネス協議会(BCC)一行との懇談会開催

説明するマンリー氏(左)

経団連のカナダ委員会(村瀬治男委員長、佐藤洋二委員長)は11月20日、東京・大手町の経団連会館で、カナダビジネス協議会(BCC)のジョン・マンリー理事長兼CEO一行との懇談会を開催し、日加経済関係や多国間貿易協定の行方等について説明を聞き、意見交換を行った。マンリー理事長の説明の概要は次のとおり。

■ 日加経済関係

日本は、カナダにとって、世界第4位、アジア第2位の貿易パートナーであり、世界第6位の投資元になっている。日加経済関係は良好かつ相互補完的であり、さらなる深化を目指すべきである。

日加関係の重要な下支えとなるのが、人的交流だ。カナダは留学先として人気が高く、すでに毎年2万人以上の日本人留学生が英語を学んでいる。単位互換の承認プロセスや留学許可・ビザの手続きを簡素化することで、人的交流を拡大し、日加で協力して優秀な人材を育てることができる。

また、個別分野でのさらなる協力も、二国間経済関係の深化に資する。例えば日本は、カナダの豊かなエネルギーに対する需要が大きいが、カナダからの輸出量は、日本のエネルギー輸入量全体の1%にすぎない。同分野での輸出拡大は、カナダへの投資拡大・現地雇用創出に加え、日本のエネルギー安全保障にも寄与する。win―winの関係を築くことが重要である。

■ NAFTA再交渉

NAFTAに関するアメリカの要求は、カナダの利害にかなうものでない。例えば、自動車貿易での関税撤廃の条件として、NAFTA域内原産地比率を現行の62.5%から85%に引き上げ、そのうち米国製の部品を50%以上使用するよう求めている。この原産地規則に関する変更が行われれば、カナダの自動車業者は実質的に閉鎖に追い込まれかねない。経済界として強く反対している。

また、紛争処理手続きを「オプトイン(選択制)」とすることも提案されているが、もしオプトインが認められることになれば、アンチダンピングや相殺関税などの措置への不服を訴える手段が奪われることになり、NAFTAが機能しなくなってしまう。

そのほか、米国の要求どおりに5年ごとの協定見直しを義務づける「サンセット条項」が導入されれば、予見可能性が大きく損なわれることになり、企業による投資意欲が削がれる。このようなアメリカの要求は、カナダが到底のめるものではなく、BCCとしては、実際にそうなってほしくはないが、会員企業に対し、NAFTAのない世界に備える必要性を強調している。

■ CPTPP大筋合意

NAFTA再交渉の現状が厳しいなか、CPTPP(TPP11)が合意にこぎ着けられたことは、カナダ経済界としても非常に喜ばしく感じている。日本政府のリーダーシップの賜物であろう。しかし、合意に至った後も、法的文書の作成、各国での批准・署名等、手続きが山積している。モメンタムを失わないうちに、なるべく早く細かな調整を終わらせ、発効させる必要がある。加盟国最大の経済は日本、2位はカナダである。両国がともにリーダーシップを発揮し、将来アメリカが戻ってこられるような枠組みをつくることが重要である。

【国際経済本部】