Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年1月1日 No.3344  COP23の概要と今後の地球温暖化対策

2017年11月にドイツ・ボンで開催されたCOP23(国連気候変動枠組条約第23回締約国会議)では、気候変動政策に関する国際枠組みである「パリ協定」の実施指針等に関する交渉が行われた。そこで、経団連の環境安全委員会(木村康委員長、小堀秀毅委員長)と同委員会地球環境部会(佐久間総一郎部会長)は11月29日、東京・大手町の経団連会館で合同会合を開催し、環境省の森下哲地球環境局長から、COP23の概要と今後の地球温暖化対策について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ COP23の概要

COP23では、議長国フィジーのもと、(1)パリ協定の実施指針交渉(2)促進的対話の基本設計(3)グローバルな気候行動の推進――などが主要な議題・イベントとして扱われた。

まず、パリ協定の実施指針に関する交渉については、緩和や透明性枠組み、市場メカニズムなどに関して各国の意見を取りまとめた文書が作成されるなど、18年までの指針策定に向け一定の進展をみせた。一方で、一部の途上国が、先進国と途上国の責任の差異を強く主張しており、今後は途上国との間の溝を埋めることが求められる。

次に、促進的対話「タラノア(フィジーの言葉で透明性・包括性・調和を意味する)対話」については、18年1月からの開始に向けて、議長国フィジーから世界全体の排出削減の状況を把握し、削減意欲向上を目指すための対話の基本設計が提示された。

グローバルな気候行動の推進については、日本政府として「日本の気候変動対策新イニシアティブ2017」を表明した。また、中川雅治環境大臣のステートメントで、途上国における排出量等の透明性向上を支援するべく「コ・イノベーションのための透明性パートナーシップ」の設立等を表明した。

なお、今次COP23は、米国がパリ協定脱退を表明してから初めてのCOPであったことから、米国の交渉態度が注目されたものの、米国交渉団は建設的に交渉に臨んでいた。

■ 今後の温暖化対策

パリ協定のもと、世界は今世紀後半の脱炭素社会に向けてすでに走り出している。今後、気候変動対策を通じた経済成長を実現すべく、省エネ住宅・家電の選択を促す国民運動「COOL CHOICE」の推進や環境金融の基盤整備、さらには国際協力やカーボンプライシング等に関する検討を重ね、政府としての長期低排出発展戦略の策定につなげていく。

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その後の意見交換では、経団連側から、「環境省による情報発信の仕方として、受け手に誤解を与えないよう留意して日本の取り組みをアピールすべきだ」「各国の産業構造の違いを踏まえたうえで、日本としての対策のあり方を検討すべきだ」といった発言があった。

【環境エネルギー本部】