Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月22日 No.3355  「経団連サイバーセキュリティ経営宣言」を公表 -経済界が一丸となってサイバーセキュリティ対策に取り組む

経団連は3月16日、「経団連サイバーセキュリティ経営宣言」を公表した。同宣言は、昨年12月に公表した提言「Society 5.0実現に向けたサイバーセキュリティの強化を求める」において、経団連が取り組むアクションプランとして掲げたもの。サイバー攻撃による被害が拡大する状況を受け、経済界が一丸となってサイバーセキュリティ対策に取り組む覚悟を表明した。

■ 策定の背景

あらゆる産業のデジタル化により、モノ・ヒト・コトがデータでつながる社会「Society 5.0」の到来が近づいている。あらゆるデータがインターネットにつながることにより価値が生み出される一方、サイバー攻撃の対象が広がる側面も見過ごすことはできない。近年、巧妙化するサイバー攻撃を完全に防ぐことは不可能となったともいえる。今やあらゆる企業にとってリスクマネジメントの観点からサイバーセキュリティ対策に取り組むことが経営の最重要課題となりつつある。

■ 経営宣言の内容

経営宣言は、サイバー攻撃の激化が予想される2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会までを重点取り組み期間と定め、取り組むべき項目を下記の5つに分けて示した。

  1. 経営課題としての認識
  2. 経営方針の策定と意思表明
  3. 社内外体制の構築・対策の実施
  4. 対策を講じた製品・システムやサービスの社会への普及
  5. 安心・安全なエコシステムの構築への貢献

特に強調したのは、Society 5.0の実現に向けた価値創造の前提として、サイバーセキュリティ対策が重要という点である。サイバーセキュリティを投資と位置づけて積極的な経営に取り組むことを掲げた。また、社内のリソース確保や体制整備だけではなく、サプライチェーン全体の対策に努める観点も欠かせない。さらには、社会全体のエコシステムによりサイバーセキュリティを強化する観点から、関係官庁・組織・団体等との連携や積極的な情報共有、人的ネットワーク構築を図ることが重要である。

◇◇◇

経団連は今後、経営者向けのセミナー開催等も予定している。こうした活動を通じて普及・啓発に努め、安心・安全なサイバー空間の構築に貢献していく。

【産業技術本部】