Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年4月26日 No.3360  女性活躍の今後の展望について -野田女性活躍担当相が講演/女性の活躍推進委員会

講演する野田女性活躍担当相

経団連は4月11日、東京・大手町の経団連会館で女性の活躍推進委員会(吉田晴乃委員長、柄澤康喜委員長)を開催し、野田聖子女性活躍担当大臣から、「人口減少社会に対応した企業の持続可能な成長のために~『鍵』は女性活躍」をテーマに講演を聞いた。講演に先立ち、女性役員との少人数懇談会が行われ、各社の女性活躍の取り組みや成果について活発な議論が展開された。野田女性活躍担当相の講演の概要は次のとおり。

■ わが国の人口減少と女性活躍

本日の衆議院内閣委員会で政治分野における男女共同参画推進法案が可決された。同法案は、政治分野における男女共同参画を効果的・積極的に推進するため、国政選挙および地方議会選挙において男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指すこと等を基本原則として定めたものである。

わが国において少子化・人口減少は国難ともいえる深刻な問題であり、働き手を確保するため女性活躍の推進は不可欠な課題である。企業が、男性よりも女性を積極的に登用していくことには抵抗があることも理解できる。しかし、女性が非常に効率的に生産性の高い仕事をすることは世界でも実証されている。経営者はこの点も踏まえて女性登用に取り組んでほしい。

日本では、就業者に占める女性割合に比べ、役員・管理職に占める女性割合が国際的にみても著しく低い。一方、女性活躍の過渡期にあり、役員になれる女性が育っていないというのも現実である。そのため社外取締役として女性を登用することも有効だ。そのうえで、引き続き男女ともに働きやすい職場としていくことで、内部昇進による女性役員も増えていくだろう。

■ 女性活躍のための働き方改革に向けて

女性が継続して働き続けるためにも、働き方改革は重要となる。近年、働き方改革がトレンドになっているが、そもそも「なぜ会社に行かなければならないのか」という点から議論されなければならない。どこにいても働ける環境をつくることがこれからの日本にとって極めて重要であり、その人の才能を十二分に活かすことがこれからの経営者に求められる。「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が浸透しつつあるが、これからは「ベスト・ライフ・バランス」を目指したい。

また、現代では働いていようがいまいが育児も家事もすべて女性が担っているが、女性が働き続けるためには男性の家事・育児面での参画が不可欠である。企業における男性の育児休業取得率は上昇基調にあるものの、いまだ3.16%にとどまっており、男性の育児休業が推奨される流れをつくっていってほしい。

女性活躍といわれて久しいが、まだ実体化していないのが現状だ。日本において女性活躍はダイバーシティの代名詞であり、男性も含めて皆が幸せになるための第一歩として一緒にがんばっていきたい。

野田女性活躍担当相(中央)、吉田委員長(左)、柄澤委員長(右)を囲む懇談会参加者

【政治・社会本部】