Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年7月26日 No.3371  インフラ輸出施策に関する説明会を開催

経団連は7月10日、東京・大手町の経団連会館でインフラ輸出施策に関する説明会を開催し、和泉洋人内閣総理大臣補佐官ならびに外務省、経済産業省、国土交通省、総務省、法務省、農林水産省、環境省、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の幹部から、海外インフラ展開に向けた政府の支援策等について説明を聞いた。飯島彰己副会長・国際協力委員長はじめ約160名が出席した。和泉総理補佐官の説明の概要は次のとおり。

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安倍政権は、海外インフラ展開支援に注力しており、経協インフラ戦略会議を設置し、「インフラシステム輸出戦略」のもと、「2020年に約30兆円(注)のインフラシステム受注」を目指している。その達成に向け、総理自らトップセールスを推進するとともに、同会議において、フロンティア分野への展開や他国との連携など国際市場の変化に応じた議論を深め、さらには地域別のみならず、産業分野別に注力すべき重点領域や活用可能な施策ツール等を提示した分野別戦略の策定等を進めている。

また、わが国の競争力強化に向け、円借款事業のさらなる迅速化や、案件形成のための調査の質の向上に向けた取り組みを強化している。加えて、独立行政法人等の有する知見や専門技術、公的信用力を海外インフラ整備における調査、設計、運営・維持管理等に活用できるよう独立行政法人等の業務規定の見直しを実施している。

さらに、海外ビジネスにおける日本企業の競争力強化やインフラ整備を通じた対象地域の経済・社会基盤の強化、地域の安定と繁栄の確保のためには、開放性、透明性、経済性、財政の健全性等の原則のもと、他国との連携による第三国等でのインフラ協力を進めることも重要な選択肢である。政府としては、企業間のマッチング支援や連携促進のための支援制度の見直し等を進めている。

加えて、電力会社等と連携して一気通貫のエネルギーインフラを提案する、あるいは他国企業との連携によって事業提案力や価格競争力等を強化すべく、JBIC、NEXIの支援制度の見直しや、STEP(本邦技術活用条件)円借款の条件見直しなど公的金融支援にかかる制度改善も実施・検討している。

政府はインフラ受注実績を2010年の10兆円から20年までに30兆円とする3倍増の目標を設定しており、最新のデータでは16年の受注実績は約21兆円と、2倍超まで拡大している。しかし、国際情勢とわが国の競争環境は日々変化しており、常に新たな対策を講じることが不可欠である。海外インフラ投資のさらなる拡大に向けて、官民一体となって新たな方策の検討や連携を深化させていきたい。

(注)事業投資による収入額等を含む

【国際協力本部】