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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月8日 No.3384 中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は11月5日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

中西会長は冒頭、提言「Society 5.0―ともに創造する未来―」について、Society 5.0の実現のためのいわば行動指針であり、第1章では、デジタル革新を課題としてとらえるのでなく、明るい未来を創っていこうという強いメッセージを発していると紹介。第2章では、Society 5.0の実現に向けた課題を具体的に記しており、全体を通じて自信を持って「日本はできる」という前向きな論調にしていることも特徴と説明。経済界の行動宣言という側面もあり、提言して終わりではないとしたうえで、かなり議論を深めている産業分野もあれば、どう進めるべきか不透明な分野もあり、これが幅広い分野に広がり、デジタル化を前向きにとらえられるようになれば、日本の産業競争力も向上していくと述べた。

米国ではベンチャー育成やイノベーション・エコシステムが確立、次々ベンチャーが生まれているが、日本では米国のようなベンチャー育成は簡単でないと指摘。大企業に人材が集まっている日本の現状に照らし、大企業の中に「出島」のようなフリーゾーンを立ち上げることを提案しているとした。

コーポレートガバナンスについては、経営そのものであり、経営の質を高めようとすれば自らガバナンス強化に取り組んでいくと説明。コーポレートガバナンス・コードではComply or Explainが求められるが、まず企業が自ら考え、自社のガバナンスが世の中の常識に照らしてどうか不断にチェックすることが重要と指摘。経営者として組織をどう運営していくか、ステークホルダーへの説明も求められるとした。

データにかかる規制については、データ活用のルールもなく、デジタル化の進展によりルールづくりが求められていると指摘。政府の議論でどのようなルールが策定されるのか注視したいとしたうえで、Society 5.0ではデータが財産となり、その取り扱いについて、透明性・公平性の高いルールが求められるとした。

品質問題では、高度成長期から今日まで日本企業が堅持してきた品質に対する自信に綻びが出始めていると指摘。品質管理の取り組みは企業活動そのもの、現場をどう管理するのかに尽きると述べ、日本の製造業への信頼に陰りが出かねないとして、経団連は引き続き警鐘を鳴らしていくと述べた。

日韓関係については、経済関係全般において直近で問題に直面してはいないと述べた。元徴用工にかかる判決については韓国の最高裁の判断であり、外交を通じた適切な対応を求めたいとした。

入会資格規程の改定については、Society 5.0の実現には幅広い企業が経団連活動に参加する必要があると説明。ベンチャーはじめさまざまな企業が入会し、本当の意味で経済界を代表する組織になることが重要と述べた。

【広報本部】

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