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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年11月15日 No.3385 提言「Society 5.0 ―ともに創造する未来―」を取りまとめ -Society 5.0のコンセプトと日本の変革の方向性

経団連(中西宏明会長)は11月13日、提言「Society 5.0 ―ともに創造する未来―」を取りまとめた。同提言は、経団連が7月に設置した「未来社会協創会議」(座長=中西宏明会長)および「未来社会協創タスクフォース」(座長=北野宏明ソニーコンピュータサイエンス研究所社長)が中心となって検討したもの。日本には深刻な課題が山積しているといわれるが、課題を機会ととらえ、明るい未来のコンセプトを世界に発信していくべきだという観点で取りまとめた。

■ Society 5.0=創造社会

Society 5.0は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな社会を意味する、日本発のコンセプトである。官民でその実現に向けた取り組みを進めてきた。

今回、経団連は、これまで「超スマート社会」と称されていたSociety 5.0を、新たに「創造社会」と名づけ、「デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会」と定義した。

世界に迫りつつあるデジタル技術による社会変革の波は、避けようがないもの。このデジタル革新の影の側面を放置せず、多様な人々の人間ならではの想像・創造力によって、社会課題の解決、新たな価値の創造に結びつける社会を創造していくという意味を込めた。

Society 5.0では、「課題解決・価値創造」「多様性」「分散」「強靱」「持続可能性・自然共生」を実現する。さまざまな制約から解放され、誰もが、いつでもどこでも、安心して、自然と共生しながら、価値を生み出す社会を目指す。これは国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)とも軌を一にするものであり、世界で協力して実現していくことで新たな発展のモデルとなり得る。

■ 日本を解き放つアクションプラン

Society 5.0の実現を主導するために日本が目指すべき姿は、「デジタル革新を先導し、多様性を内包した、成功のプラットフォーム」。多様な人々が日本でさまざまな挑戦を行い、成功のきっかけをつかめる社会にすることが重要である。

そうした社会の実現には、企業や人、行政・国土、データ・技術など社会のあらゆる面で変革が必要になる。社会課題を解決する事業を構想し、生み出した価値を人に分配していく。既存産業の保護ではなく、スタートアップ企業の振興を第一に据えて、次々と挑戦を起こす。各組織がデジタルや多様化に対応し、働き方や雇用慣行のモデルチェンジを行っていく。企業から独立した「出島」のような異質な組織を立ち上げ、自由でオープンに新規事業を生み出せる環境をつくる。こうした変革を、経済界が主役としてリードしていくことが重要である。

◇◇◇

経団連自身もSociety 5.0実現の旗振り役として、大きく変わっていく。今後、同提言で示したコンセプトをもとに、各分野における変革の方向性の議論を深め、具体化に向けたアクションを起こしていく。

【産業技術本部】

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