Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月14日 No.3396  水・大気環境行政の重要課題等について聞く -環境安全委員会環境リスク対策部会

経団連は1月31日、東京・大手町の経団連会館で、環境安全委員会環境リスク対策部会(成田睦夫部会長)を開催した。環境省の田中聡志水・大気環境局長から、水・大気環境行政の重要課題等について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 石綿(アスベスト)の飛散防止

石綿飛散防止の徹底に向け、2018年10月から、中央環境審議会大気・騒音振動部会石綿飛散防止小委員会において、建築物の解体工事時の事前調査の信頼性向上やレベル3建材の除去等、作業時の石綿飛散防止策について検討が進められている。

■ 海洋ごみ対策

海洋ごみ対策にかかる国際連携・協力の必要性の高まり等を踏まえ、18年6月に海岸漂着物処理推進法が改正された。海岸漂着物対策の推進に関する基本的方向としては、海岸漂着物等の円滑な処理、マイクロプラスチック等の海域への流出の抑制、国際連携を含めた多様な主体との連携の確保、適切な役割分担などが挙げられる。また、環境省では、プラスチックとの賢い付き合い方を全国的に推進し、わが国の取り組みを国内外に発信していくキャンペーン「プラスチック・スマート」と、同キャンペーンの参加者をはじめとするさまざまな団体の対話・交流を促進する場として「プラスチック・スマート」フォーラムを設置した。

■ 生物を用いた水環境の評価・管理(改善)手法(WET手法)

環境省では、ワーキンググループでの検討、パイロット事業の進捗などを踏まえ、同手法を自主的な手法として用いる際の活用のあり方などについて検討を深めている(法的拘束力があるものではない)。18年度中に、これまでの検討会等で得られた知見を事業者が自主的に活用するための手引きとして整理する予定。

■ 土壌汚染対策(土壌汚染対策法の一部を改正する法律の概要)

土壌汚染対策法の一部を改正する法律が、17年5月19日に公布された。改正法では、土壌汚染に関する適切なリスク管理を推進するため、土壌汚染状況調査の強化を図るとともに、一定の要件を満たす土地の形質変更の届出および汚染土壌の処理にかかる特例制度の創設などが盛り込まれた。法律の一部は第1段階施行として18年4月1日に施行され、現在、19年4月1日の第2段階施行に向け、ガイドラインの見直しを行っている。

<意見交換>

意見交換では、WET手法において、取りまとめ予定の活用の手引きに、同手法が規制的手法ではないことを明記すること、また、海洋ごみ対策については、国内だけでなく、わが国がリーダーシップをもって諸外国に働きかけを行うべきだなどの意見が出された。土壌汚染対策については、19年4月の完全施行に向け、政省令改正事項に関する関係者へ周知徹底を求める意見が出された。

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このほか、18年度の経団連規制改革要望案として、環境リスク分野に関する要望1件が審議され、承認された。

【環境エネルギー本部】