Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月28日 No.3398  中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は2月25日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

日本のエネルギーをめぐる現状については、強い危機感を表明。火力発電に約80%を依存する日本に対する国際社会の批判が強まっているが、再生可能エネルギーを増やそうにも、送配電網整備や国民負担の増加が課題となり、新しい設備・技術への投資が進まないと指摘した。あわせて、ゼロエミッションの電力を増やすとともに、将来にわたり人類がエネルギー源を確保していくためには原子力技術を維持・発展させることも必要と強調。このままでは日本の産業基盤を支えてきた高品質な電力インフラが崩壊しかねず、エネルギー政策の全体像を踏まえた国民的議論が必要との認識を示した。

東日本大震災からの復興については、住まいの再建は進んだが、産業の復興は道半ば、とりわけ東北の農畜水産品への風評は根強く、諸外国での輸入規制が大きな課題として、国を挙げて取り組む必要があるとした。

採用選考活動をめぐっては、経団連の問題提起により学生の問題意識も随分変わったとしたうえで、働き方改革や日本型雇用システムの課題について前向きに議論を進め、学生の活躍の幅を広めていく動きにつなげたいとの考えを示した。

日米貿易協議については、米中摩擦の先行きが不透明で先が読みにくい情勢のなか、企業はサプライチェーンの再構築が必要と指摘。新たな商流を創る機会が生まれる余地もある一方、日本経済のレジリエンスを高めていく必要があるとの認識を示した。

【広報本部】