Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月28日 No.3398  東京オリンピック・パラリンピック期間中の交通・輸送に関する説明会を開催 -大会輸送と経済活動の両立に向けて、会員企業に協力要請

小池東京都知事

経団連は2月18日、東京・大手町の経団連会館で、東京都との共催により、2020年夏に開催される東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の交通・輸送に関する説明会を開催した。各企業の人事・物流担当者など約600名が出席した(同様の説明会を22日にも開催し、約400名が出席)。

東京オリンピック・パラリンピック開催時には、大会関係者や観客の輸送と通常の通勤・物流などが重なり、道路や公共交通機関に深刻な混雑が発生するおそれがある。これを回避するとともに、経済活動と両立させるためには、企業においても、人・モノの流れを円滑にするための事前準備が求められる。そこで、東京都、大会組織委員会ならびに内閣官房を事務局として昨年発足した「2020TDM推進プロジェクト」には、経団連も全面的な協力を行っている(TDM=Transportation Demand Management、交通需要マネジメント)。

説明会では、東京都オリンピック・パラリンピック準備局の松本祐一輸送課長が、大会時の交通状況に関するシミュレーション「大会輸送影響度マップ」の概要、重点的な取り組みが必要な期間(オリンピック期間中の平日である7月27~31日ならびに8月3~7日、パラリンピック期間中の平日である8月25~28日ならびに8月31日~9月4日)、交通需要低減の必要性が特に高いエリア(都心部・臨海部、首都圏全域の競技会場周辺など)を示したうえで、各企業に協力してほしい事項として、(1)夏期休暇、ボランティア休暇の導入(2)テレワーク、時差出勤の導入と実践(3)大会時を想定した行動計画(2020版BCP)の作成――などを挙げた。また、混雑回避に向けた視点として、人の流れに関しては「雇用主の理解と行動(制度整備などの協力、機運の醸成など)」、物の流れに関しては「荷主の理解と行動(サプライチェーン全体での協力、荷主が一体となった配送時間・ルートの変更など)」が重要であると述べた。そのうえで、「2020TDM推進プロジェクトに登録した企業は、混雑予測などの情報提供、準備に向けたコンサルティングなどを受けられる。ぜひ参加してほしい」と出席者に呼びかけた(※)

続いて、港湾局の福元香苗物流企画担当課長から、東京港を利用する荷主に対して、「大会期間中の貨物量抑制、時間やルートの変更など、円滑な港湾物流の確保に向けた協力をお願いしたい」との要請があった。

最後に小池百合子知事が登壇、多くの企業からの出席に謝意を示すとともに、「大会時の交通混雑緩和と、テレワーク(ICTを活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方)や時差Biz(通勤時間をずらす働き方改革)などを一体的に推進し、新しいワークスタイルや企業活動の東京モデル『スムーズビズ』を2020年のレガシーにしたい」と強調、一層の理解を求めた。

※ 登録についてはウェブサイト(https://2020tdm.tokyo/approve)参照

【ソーシャル・コミュニケーション本部】