Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年3月28日 No.3402  文部科学省と共催でクロスアポイントメントの促進イベントを開催 -クロスアポイントメントの実施・促進に関わる連絡協議会

経団連は3月4日、東京・大手町の経団連会館で文部科学省と共催で「クロスアポイントメントの実施・促進に関わる連絡協議会(東日本地区)」を開催した。クロスアポイントメント(CA)とは、1人の人材が複数の機関で働くことを可能にする制度のひとつであり、産学連携の観点からは、大学教員が同制度を活用して企業で活躍することが期待されている。概要は次のとおり。

■ 第1部=クロスアポイントメント実施当事者による討論

冒頭の基調講演では、五十嵐仁一経団連未来産業・技術委員会産学官連携推進部会長が登壇。Society 5.0に向けてはイノベーションの現場において人材の多様性を確保することが重要であり、その手段としてCAに期待していると述べた。

その後、村瀬剛太文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課大学技術移転推進室長によるCAの概要説明の後、国内における大学から企業へのCA初事例の当事者である、谷口忠大立命館大学情報理工学部教授兼パナソニックビジネスイノベーション本部AIソリューションセンターVisiting General Chief Scientist、栗山俊之立命館大学研究部次長および井上昭彦パナソニックビジネスイノベーション本部AIソリューションセンター戦略企画部部長が登壇。研究者・大学・企業それぞれの立場からCA導入のメリットや超えるべきハードルについて紹介があった。

谷口教授からは、CAに対する研究者のインセンティブを高めるための給与上のインセンティブ付与の必要性を説くとともに、「企業、大学、研究者がwin-win-winにならなければCAに意味はない」「このような新しい動きは私立大学が先行すべきだ」とのメッセージがあった。

■ 第2部=組織的産学官連携活動に関する意見交換

杉原伸宏信州大学学術研究・産学官連携推進機構学術研究支援本部長、岸本康夫JFEスチール研究所研究技監、高橋秀実東京工業大学研究・産学連携本部特任教授が登壇。組織対組織による本格的な共同研究の推進に向けた取り組みの紹介の後、会場の出席者を交えた意見交換では、大学と企業が組織の違いを超えて相互理解をしながら共同研究を進めることが重要といった意見があげられた。

【産業技術本部】