Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年6月27日 No.3413  イタリア経済発展省のジェラーチ政務次官との懇談会を開催 -ヨーロッパ地域委員会

ジェラーチ政務次官(左)と越智委員長

経団連のヨーロッパ地域委員会(越智仁委員長、佐藤義雄委員長)は6月10日、東京・大手町の経団連会館で、イタリア経済発展省のミケーレ・ジェラーチ政務次官との懇談会を開催した。ジェラーチ政務次官の発言は次のとおり。

■ 日伊関係の発展に向けて

日伊両国は、貿易面・商業面・投資面での重要なパートナーであり、さらなる関係強化には、日伊間のビジネス協力拡大が重要である。イタリアの主要輸出相手国はEU諸国と米国であり全輸出の約6割を占める一方、アジアを含む地理的に距離のある国との関係は深化の余地は大きい。特に日本との関係強化にあたっては、今年発効した日EU EPAを基盤に、G20大阪サミット、東京オリンピック・パラリンピック、大阪・関西万博等での訪日機会を利用して、対話を継続したい。

■ スタートアップ企業創出のための政策的支援

イタリアでは、ブロックチェーン、フィンテック、スマートシティー、バイオ・ライフサイエンス、医療技術、モビリティー等の分野を中心にスタートアップ企業が増加しており、政府は、「スタートアッププログラム」と「ハイストリートプログラム」の2つの政策的支援を行っている。

スタートアッププログラムは、スタートアップ企業を他国へ派遣するプログラムであり、次回は7月中旬に、イタリア企業数社が日本を訪れ、インベキューター施設等を見学する予定である。イタリアのスタートアップ企業に不足するマーケティング能力を伸ばすことを主目的に、日本のスタートアップ企業との意見交換等を通じ協力関係を模索したい。

ハイストリートプログラムとは、中小企業に対する商品PRの機会を与えるプログラムである。全世界で開催されるフェアは、大企業への恩恵は大きくとも、中小・零細企業にとっては利用のメリットが小さい。ハイストリートプログラムでは、人の往来の多い場所に1年間24時間開放のスペースをレンタルし、中小企業が予約制で3、4日、商品を展示できる機会を提供している。日本でもこのような機会を持てればと思っている。

経団連もスタートアップ企業を重視していると聞いており、今後とも対話を継続し、両国企業間での協力関係を強化していきたい。

【国際経済本部】