Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年8月1日 No.3418  スタートアップ関連税制をテーマに第2回会合を開催 -スタートアップ委員会スタートアップ政策タスクフォース

経団連は7月16日、東京・大手町の経団連会館でスタートアップ委員会スタートアップ政策タスクフォース(出雲充座長)の第2回会合を開催し、スタートアップ関連税制について経団連の小畑良晴経済基盤本部長から説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ スタートアップ関連税制

法人税にかかる措置として研究開発税制が設けられており、スタートアップとの関係では、スタートアップそのものの試験研究費を控除できる「総額型」と、スタートアップと連携する企業における試験研究費を控除できる「オープンイノベーション型」の2種類がある。いずれも平成31年度改正で制度の拡充が行われている。

また、新設法人については設立7年度までは所得全額の100%まで欠損金を繰越控除できる制度が恒久措置として設けられている(通常の大法人は所得全額の50%まで)。なお、認定ベンチャーファンドを通じてスタートアップへ出資した企業が出資額の一定割合を損失準備金として損金算入できる新事業開拓事業者投資損失準備金制度が存在していたが、2018年度末で廃止になっている。

個人投資家の所得税にかかる措置としては、いわゆるエンジェル税制があり、個人によるスタートアップへの投資金額の控除を可能とする措置や、損失が生じた場合に他の株式譲渡益と相殺する制度が設けられている。また、スタートアップの役員・従業員の所得税にかかる措置としては、ストックオプション税制が存在しており、平成31年度改正によって付与対象者をプログラマーやエンジニア、医師、弁護士などの外部協力者まで拡大している。

今年6月に公表された政府の「成長戦略実行計画」では、大企業とスタートアップの連携、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の拡大などスタートアップに関する記載が多数盛り込まれている。これらも今後のスタートアップにかかる税制の議論で参考となるだろう。

◇◇◇

説明を受けてタスクフォース委員間では、各社の実態を踏まえながら、研究開発税制の活用に向けた課題や企業のIT投資を支援する税制のあり方、CVC支援やエンジェル税制の活用のあり方について議論がなされた。

【産業技術本部】