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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月5日 No.3474 トヨタ環境チャレンジ2050 -〈連載〉わが社のチャレンジ・ゼロ/トヨタ自動車

Challenge Zero

トヨタは、2050年に向け、成し遂げるべき6つの環境チャレンジを掲げ、人とクルマと自然が共生し持続可能な社会を目指して走り続けている。

6つの環境チャレンジは、(1)新車CO2ゼロチャレンジ(2)ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ(3)工場CO2ゼロチャレンジ(4)水環境インパクト最小化チャレンジ(5)循環型社会・システム構築チャレンジ(6)人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ――である。

2050年に向け、トヨタが成し遂げるべき6つの環境チャレンジ

新車CO2ゼロチャレンジは、クルマ1台当たりの平均CO2排出量を「2050年までに2010年比で90%削減」に挑戦する。「エコカーは普及してこそ環境への貢献」の考え方のもと、従来エンジン車の技術開発をはじめ、電動車(ハイブリッド車〈HV〉、プラグインハイブリッド車〈PHV〉、電気自動車〈EV〉、燃料電池自動車〈FCV〉)の技術進化と普及促進をさらに加速させる。

電動車普及に向けたチャレンジとして、30年にはグローバルで電動車販売台数を550万台以上、このうちZero Emission VehicleであるEV、FCVを合わせて100万台以上を目指す。

電動車普及に向けた取り組みの一環として、モーター、PCU(パワー・コントロール・ユニット)、システム制御などの車両電動化関連の技術について、トヨタが保有している特許実施権を無償提供するとともに、電動車を開発・製造するために、トヨタが保有するパワートレーンシステムを活用してもらう際は技術サポートを実施する。世界で電動車の開発・市場投入の促進につながり、CO2排出量削減による地球温暖化抑制に貢献したいと考えている。

トヨタは、水素を「将来の有力なエネルギー」と位置づけるとともに、FCVをCO2排出ゼロの「究極のエコカー」ととらえている。FCVを普及し、水素社会を実現するために、まず、乗用車に向けた燃料電池システムの開発で、継続的な性能向上とコスト低減を図る。その燃料電池システムを、1台当たりのエネルギー消費量が大きい商用車に応用することで、水素需要の拡大を目指す。

20年末には、FCVの次のステージに向けて、次期「MIRAI」を発売予定である。燃料電池システムを一新し、航続距離を従来型比で約30%延長するとともに、エモーショナルで美しいデザイン、今までにない気持ちのよい走行フィーリングの実現を目指し開発を進めている。

FCVのさらなる普及に向けて、燃料電池システムの低コスト化・高効率化・高耐久化が必要である。具体的には経済産業省の水素・燃料電池戦略ロードマップやNEDO燃料電池・水素技術開発ロードマップの30年ごろおよび40年ごろの技術開発目標を実現するために、電解質膜、触媒、カーボンファイバーなどの新規材料開発や電気化学反応の現象解析など基礎に立ち返った研究を大学や研究機関等と連携し推進していく。

水素社会の早期実現に向けて、よりオープンに、より多様なパートナーと協調し邁進していく。

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