Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月19日 No.3476  佐々木金融・資本市場委員会建設的対話促進ワーキング・グループ座長がESG投資家向けに基調講演

経団連金融・資本市場委員会の佐々木啓吾建設的対話促進ワーキング・グループ座長は10月28日、英国のESG投資家向けニュースメディアのResponsible Investor(RI)社が主催する「RI Digital Japan 2020」にオンラインで参加し、「ESG投資の進化、建設的対話の促進―Society 5.0 for SDGs実現に向けて」と題して基調講演を行った。概要は次のとおり。

■ コロナ禍でDXとサステナビリティが一層加速

コロナ禍によって、直面する4つのメガトレンドである(1)DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展(2)経済社会構造の変化(3)地球環境問題への危機感の高まり(4)マインドセットの変化――の要素が変わったわけではない。ただし、その変化のスピードは急加速している。

■ Society 5.0で産業構造が転換し、新たな成長が実現

そうしたなか、経団連は、世界に先駆けてDXとサステナビリティを融合したコンセプト、Society 5.0を掲げている。Society 5.0実現は、新たな経済成長と社会課題解決をもたらす。例えば次世代ヘルスケアでは、年間36.2兆円の経済効果とSDGs(持続可能な開発目標)目標3の質の高い医療を実現する。またスマートモビリティでは、21.3兆円の経済効果と同目標11のサステナブルな街づくりに貢献する。

こうした変化をチャンスとすべく、今こそ企業はSociety 5.0の実現に向けて大きくかじを切る必要がある。

■ 投資家は「ESG投資の進化」「建設的対話の促進」を

デジタル技術で社会課題を解決し、経済成長を実現するSociety 5.0は、ESG投資家が目指す姿と軌を一にする。他方、その実現には、投資家が、現在のESG投資を進化させ、課題解決イノベーションへと資金を振り向ける必要がある。

またSociety 5.0という長期成長には、企業と投資家が長期の視点から建設的対話を行い、相互理解を図っていく必要がある。

Society 5.0は企業だけでは実現できず、投資家と共に進めていく必要がある。企業もSociety 5.0実現に向けて全力で取り組む。投資家にも、Society 5.0に向けて「ESG投資の進化」「建設的対話の促進」の2点をお願いしたい。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】