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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年12月3日 No.3478 「最新技術を活用した労災防止対策事例集」を公表

経団連は11月17日、「最新技術を活用した労災防止対策事例集」を公表した。労働災害が増加傾向にあるなか、AIやIoTなどの最新技術を活用し、効果的・効率的な安全衛生対策を実施している企業が増えている。同事例集は、そのような先進事例(7社)を紹介することで、労災防止の必要性を周知するもの。あわせて、対策が求められる第3次産業の好事例(3社)も掲載している。主な事例は次のとおり。

■ ウエアラブル端末による熱中症予防対策~前田建設工業

従来、専用機器がないと困難であった深部体温の推定を、共同研究により、シャツ型ウエアラブルセンサーにより得られた心拍情報から行うことを可能にし、暑熱環境下でのリスクを可視化した。スマートフォンとウエアラブルセンサーとの組み合わせで熱中症リスクのみならず、ストレスや眠気、危険な姿勢を逐次把握できる。今夏には計測用のスマートフォンを所持しなくてもデータ取得が可能となるシステムを開発し、建設現場において実証を推進している。

■ VRを組み合わせた安全教育~凸版印刷

全社員に向けた安全教育の場として、10年前に「安全道場」を開設した。安全道場では、設計から製作まで、すべて自社オリジナルの体感機を通じて、実際に職場で発生した事故の状況を再現し、学習することができる。VR映像と組み合わせた体感機もあり、体感機に映像と音が連動することで、相乗効果が生まれ、体験者の意識をより高めることに成功している。

■ AI画像認識技術の活用~日立建機

製造現場に適した作業員の姿勢を把握・実現するため、これまでは撮影した映像を人の目で確認していたが、すべての作業者の姿勢を把握することは困難であった。そのためAI画像認識技術を活用し、作業者の姿勢を自動判別できるシステムを導入。その分析結果をもとに検討を重ねた結果、検知されている姿勢そのものの問題ではなく、その姿勢を取らざるを得なくなった直前の作業状況に起因するものが多いことがわかった。今後、得られた知見を業務プロセスの変更等に役立てていく予定である。

【労働法制本部】

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