Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年2月18日 No.3488  障害者雇用対策の現状と今後の展望 -雇用政策委員会障害者雇用制度見直し検討ワーキング・グループ

経団連は1月20日、雇用政策委員会障害者雇用制度見直し検討ワーキング・グループをオンラインで開催し、厚生労働省職業安定局の小野寺徳子障害者雇用対策課長から、「障害者雇用対策の現状と今後の展望」をテーマに説明を聴くとともに懇談した。説明の概要は次のとおり。

■ 障害者雇用の進展

わが国の障害者雇用対策は、障害者雇用促進法に基づく「障害者雇用率制度」と「障害者雇用納付金制度」を柱として進められてきた。最新の障害者雇用の状況(2020年6月1日現在)は、雇用者数57.8万人となり、17年連続で過去最高を更新した。実雇用率も2.15%となり、順調に伸びている。企業等の積極的な取り組みによって障害者雇用は着実に進展している。

■ 障害者雇用の課題

雇用者数が増加するなか、障害者雇用をめぐる課題は多い。まず、中小企業における雇用が伸び悩んでおり、中小企業に対する支援の充実が必要と考えている。

また、身体障害・知的障害・精神障害といった障害特性によって継続雇用の状況が異なっていることから、それぞれの特性に配慮した対応も求められる。例えば、近年就労者が増えている精神障害者は、体調が安定しないことも多く、勤続年数が短い傾向にあり、早期離職を防ぐ対策の強化が不可欠である。

このほか、行政の雇用施策と福祉施策との連携強化を図り、働く機会を得にくい障害者や企業の支援ニーズに対応していくことも重要である。

■ 今後の障害者雇用対策

こうした状況を踏まえて、労働政策審議会障害者雇用分科会は20年9月から、今後の障害者雇用対策について検討を開始した。

今後、法定雇用率の算定式のあり方や納付金財政の安定に向けた方策、障害者の雇用の質の向上などを論点として議論が行われる予定となっている。

【労働政策本部】