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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年4月1日 No.3494 中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」等について聴く -教育・大学改革推進委員会企画部会

経団連は3月12日、教育・大学改革推進委員会企画部会(宮田一雄部会長)をオンラインで開催し、文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課の浅野敦行課長から、中央教育審議会が1月26日に取りまとめた答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」のポイントと答申公表後の具体的アクションおよび施策について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」のポイント

同答申では、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実による「令和の日本型学校教育」の構築に向けて、発達段階や学習場面等に応じて、遠隔・オンライン教育と対面指導などを適切に組み合わせることが示されている。

学校段階別にみると、義務教育では小学校高学年からの教科担任制の導入や、総枠としての授業時数は確保したうえで教科等ごとの授業時数の配分の弾力化が可能となる制度の創設、学習履歴等の教育データの活用等が挙げられている。高等学校教育ではスクール・ポリシーの策定・公表や、「普通教育を主とする学科」について各設置者の判断で「普通科」以外にも特色ある教育を実践できる学科を設置可能とする措置の実施等が盛り込まれている。

■ 遠隔・オンライン教育と対面指導とのハイブリッド化

対面指導には教師が児童生徒の様子を観察しながら授業を展開できるという良さがある一方、遠隔・オンライン教育には学校の臨時休業中の学びの保障等の観点から利点がある。同答申では発達段階に応じてICTを活用し、教師が対面指導と遠隔・オンライン教育とを使いこなす(ハイブリッド化)ことで個別最適な学びと協働的な学びを展開することが示されている。同答申も踏まえた具体的な取り組みとして、文科省は、学校の臨時休業期間中等に遠隔・オンライン教育を含む一定の学習指導を施した場合には、学校の対面指導で再度取り扱う必要がないことを可能とする旨の通知を発出した。また、端末を活用すれば学校や家庭でも学習・アセスメントが可能となる「学びの保障オンライン学習システム」の全国展開を進めている。

■ 学習者用デジタル教科書の普及促進と教育データの活用

文科省の有識者会議は、2024年度の小学校教科書改訂時における学習者用デジタル教科書の本格的な導入に向けた検討を進め、今夏までに報告書を取りまとめる予定である。今後の教科書のあり方に関して、紙の教科書とデジタル教科書との関係も含め検討している。

教育データについては、学習指導要領のコード化などの教育データの標準化等の取り組みを加速しつつ、ICTを活用したPDCAサイクルの改善を図りながら、個々の児童生徒の状況に応じたきめ細かい指導による個別最適な学びの充実等に取り組んでいく。

■ 教師の養成・採用・研修

一人一台端末環境のなかで教師が充実した授業を実施できるよう、教職課程におけるICTに特化した科目の新設とともに、学校現場に参画する企業人などの多様な人材の活用や現職教師への研修の充実等に取り組んでいく。

◇◇◇

意見交換では、「教師のICT活用能力向上のための施策は進めているのか」との質問に対し、浅野課長は「先述の研修の充実等に加え、今年4月から『GIGA StuDX推進チーム』を増員し、全国の教育委員会・学校に対して一人一台端末の活用方法に関する優良事例等を情報発信・共有する」と回答した。

【SDGs本部】

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