Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年4月22日 No.3497  グローバルに存在感を高める台湾との産業協力を議論 -第48回東亜経済人会議合同会議を開催

経団連の東亜経済人会議日本委員会(飯島彰己委員長)は3月29日、台湾の東亜経済協会と共に第48回東亜経済人会議合同会議をオンラインで開催した。日本側からは飯島委員長をはじめ約90名が、台湾側から黄教漳理事長をはじめ約130名が出席した。概要は次のとおり。

■ 台湾はパンデミックにいち早く対応、経済は回復基調

開会にあたり、飯島委員長ならびに黄理事長があいさつし、新型コロナウイルスを機に世界の関心を集めている半導体をはじめ、医療、環境・エネルギーなどの産業における日台協力の深化に向けた意欲が示された。また、台湾のオードリー・タンデジタル担当大臣がビデオメッセージを寄せ、「コロナ禍は世界に計り知れない衝撃を与えたが、世界は成長し進歩することができる。日本と台湾は、デジタル革新、WHO改革、インド太平洋の経済発展に具体的な貢献ができる」と強調した。

続いて、日台双方がそれぞれ、新型コロナをめぐる対応状況や経済情勢について説明した。台湾側からは、「新型コロナの迅速な抑え込みに成功し、2020年の台湾経済は世界トップクラスの3%のGDP成長率を実現した。今後も台湾というブランド力および産業エコシステムを強化し、競争力を高めていく」との報告があった。

■ 半導体など多様な日台産業協力の可能性

日本と台湾の協力が期待できる産業分野として、(1)米中対立のなか、日本と台湾の存在感が増している「半導体・DX(デジタルトランスフォーメーション)」(2)ウィズコロナ時代に一層重要性の高まる「医療」(3)持続可能な地球環境の維持のための「グリーン」――に焦点を当てて議論した。

まず「半導体・DX」に関して、盧超群台湾半導体産業協会元理事長が講演で、「21世紀はAIと半導体の応用が爆発的に進む時代であり、日本と台湾の連携を加速しなければならない」と発言した。これに応じて、日本側は、特別な機能を有する多様な半導体デバイスや、IoTを駆使したファクトリー・オートメーション、日本企業による台湾投資の拡大に向けた取り組みを紹介した。

「医療」については、超高齢社会である日台のニーズが高く、ワクチンや新たな治療法の開発などで連携できる可能性が指摘された。また、「グリーン」に関しては、地理的な条件の類似した日本と台湾においては課題解決に向けた共通点も多く、洋上風力や水素の活用など、産業協力の面での高い潜在力を双方で確認した。

【国際協力本部】