Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月11日 No.3521  改正育児・介護休業法説明会を開催

古瀬氏

経団連は10月19日、厚生労働省雇用環境・均等局の古瀬陽子職業生活両立課長を招き、改正育児・介護休業法の施行に向けた説明会をオンラインで開催した。会員企業から約700名が参加した。説明の概要は次のとおり。

男性の育児休業取得を促進することは、男性の休業取得の希望をかなえるとともに、第一子の出産前後に女性の約半数が退職している現状において、女性の雇用継続にも資する。また、男性が子の出生直後に休業を取得して、主体的に家事育児に関わり、その後の家事育児につなげることは、女性の雇用継続、あるいは夫婦が希望する数の子どもを持つことにもつながる。

かかる観点から今般法改正を行ったが、主なポイントは、(1)男性の育休取得を促進するため、子の出生直後に取得しやすい枠組みの創設(出生時育児休業「産後パパ育休」)(2)育児休業の申し出や取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置と、妊娠や出産の申し出をした男女労働者に対する個別の制度周知・休業の意向確認の措置の義務付け(3)通常の育児休業を2回まで分割取得を可能とすること(4)常時雇用する労働者数が1000人超の事業主に対する育休取得状況公表の義務付け(5)有期雇用労働者に関する要件の緩和――の5つである。

男性は子の生後8週までの間、今回新設される産後パパ育休しか取得できないということではなく、通常の育児休業も取得できることに留意が必要である。産後パパ育休期間中に夫婦で家事・育児の態勢を整え、8週経過後もそれを継続しながら、通常の育児休業を夫婦で交代するなどして取得してほしい。

改正法は、段階的に施行する。施行にあたり、留意点を示した通達やQ&A、関連資料を今後順次示していく。事業主には、前述の(2)雇用環境整備や周知・意向確認義務については、自社での実施方法の検討と準備を進めること、(5)の有期雇用労働者の要件緩和については就業規則等を見直すことをお願いしたい。また、(1)の産後パパ育休や(3)の通常の育休の分割取得への対応は、2022年10月施行までに、就業規則等を見直してほしい。なお、(4)の取得状況公表については、23年4月施行に向け今年中をめどに省令等を策定し、詳細を示したい。

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説明の後、活発な質疑応答が行われた。会員の関心が高いことから、事後質問を受け付けたところ、約240の質問が寄せられた。後日、厚労省から回答することとした。

【労働法制本部】