Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年4月28日 No.3543  松野官房長官へ提言「戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて」を建議

松野官房長官(右)と遠藤委員長

経団連の遠藤信博開発協力推進委員長は4月13日、松野博一内閣官房長官を訪問し、3月15日に公表した提言「戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて~2021年度版」3月17日号既報)を建議した。

冒頭、遠藤委員長から、ホスト国が直面する社会課題の解決に資する「質の高いインフラシステム」の海外展開に向けて、経団連では、毎年、経済界の要望を取りまとめていることを説明。新型コロナウイルス感染症によりインフラプロジェクトに影響が生じるなかにおいて、わが国政府による資金面での支援ならびに在外公館等を通じた支援を実施してきたことについて謝意を伝えるとともに、その継続に期待を示した。また、気候変動問題については、(1)国内の脱炭素化に向けた取り組みと、水素サプライチェーンの構築など海外のインフラシステムの整備との有機的な連動(2)パートナー国の拡大などJCM(二国間クレジット制度)の活用促進に向けた施策の推進――を要望した。さらに、諸外国との競争を勝ち抜くため、国際標準の獲得の重要性に触れ、国内の体制整備や資金・人材面に関する支援を求めた。あわせて、社会課題の解決に向けてデータの利活用を推進するため、わが国政府が、DFFT(Data Free Flow with Trust)の具体化、すなわち国境をまたぐ自由なデータ流通を確保するための国際ルールの整備にあたって、主導的な役割を果たすことが重要と指摘した。

これに対し松野官房長官は、インフラシステムの海外展開は岸田内閣の重要な政策の柱であり、政府としても、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現に向けて、わが国がいかに貢献していくのかという観点から検討を進めていると説明。そのうえで、経団連提言の内容を精査し、各省庁に検討を指示するとした。また、今夏に予定している「インフラシステムの海外展開戦略2025」の改訂に向けて、自らが議長を務める「経協インフラ戦略会議」において議論を深め、インフラシステムの海外展開の促進に、引き続き尽力していく意向を示した。

【国際協力本部】