Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年11月10日 No.3566  経団連統合20周年記念シンポジウム・記念パーティーを開催 -統合からの20年を振り返り、今後の経済社会と経団連の針路を展望する

十倉会長

経団連(十倉雅和会長)は10月27日、東京・大手町の経団連会館で「日本経済団体連合会 統合20周年記念シンポジウム・記念パーティー」を開催した。2002年5月に経済団体連合会と日本経営者団体連盟が統合し、現在の日本経済団体連合会が誕生して20年の節目を迎えたことから、同シンポジウムでは、統合後20年の歩みを振り返り、今後の経団連の針路を展望する趣旨で、基調講演ならびにパネルディスカッションを行った。

シンポジウムの冒頭、十倉会長があいさつ。「両団体の統合によって、経団連は、社会保障や労働政策をはじめとするさまざまな社会経済課題に対し政策提言を行う総合経済団体として、政府の政策形成に関し、大きな成果を上げてきた。こうした総合的な見地からの政策提言は、より重要さを増している。経団連は、科学の力を遺憾なく発揮し、グリーントランスフォーメーション(GX)をはじめ、50年、100年先の未来社会を見据えて政策を提言していく使命がある」と述べ、社会から認められる総合経済団体として、経団連は未来を切り開くための針路を示す役割があるとした。

その後、国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長が基調講演を行った。田中氏は、「われわれは人間の安全保障に対する『複合的危機』のさなかにある。気候変動やパンデミックを防ぎ、ロシアとウクライナの戦争を終わらせるため、今こそ世界が協調して行動する必要がある」との見解を述べた。

パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、吉川洋東京大学名誉教授、宮永俊一審議員会副議長(三菱重工業会長)、平野信行副会長(三菱UFJ銀行特別顧問)、安永竜夫副会長(三井物産会長)が登壇し、「わが国経済社会の展望と経団連の果たすべき役割」と題して意見交換した。吉川氏は、「長きにわたって停滞を続けるわが国経済の復活に向けて、今こそ企業は、明確な将来のビジョンを描き、需要面を重視した『デマンド・ドリブン』のイノベーションを連続的に生み出していかなければならない」と訴えた。

最後に、冨田哲郎審議員会議長が閉会にあたり、「経済成長と社会課題解決との両立を図るうえでは、官民連携のもと、イノベーションの研究開発投資ならびにその社会実装への積極的関与が重要である。同時に、リカレント教育などの企業内能力開発など、『人への投資』も経団連が果たすべき大きな役割の一つである」と述べ、グローバルな社会において、日本がプレゼンスを発揮し、世界をリードし続けるために、経団連として今後も具体的なアクションを実行に移す決意を示した。

シンポジウムの終了後、経団連ホールにおいて、立食形式による記念パーティーを開催した。国会議員や駐日大使、報道関係者ら約350人が出席し、統合20年の足跡を振り返るなど談議に花を咲かせた。

【総務本部】