Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年11月10日 No.3566  ベッテル・ルクセンブルク首相と懇談

左からバッケス財務大臣、ベッテル首相、平野副会長

経団連の平野信行副会長は10月19日、東京・大手町の経団連会館で、来日中のグザヴィエ・ベッテル・ルクセンブルク首相一行と懇談した。ベッテル首相らの発言概要は次のとおり。

■ 欧州市場における強み

金融業はルクセンブルクの主要産業の一つである。ルクセンブルク証券取引所は2007年に世界で初めてグリーンボンドを上場させた。現在では、グリーンボンドやソーシャルボンドなど持続可能な開発を追求する債券の上場において世界をリードする証券取引所の一つである。日本の金融機関はルクセンブルクを資金運用の拠点としてのみならず、コーポレートファイナンスのハブとして活用することで、欧州で活動する日本企業等に対して、より大きなビジネスチャンスを提供できる。

■ 新産業創出へ注力

ルクセンブルクは金融産業だけでなく、次なる一手を担う新産業創出に取り組んでいる。ルクセンブルクは以前から宇宙開発事業に注力している。かつてはSFの世界の話のようであったが、今では隕石や惑星には多くの資源があることがすでに確認されており、宇宙採掘事業は大きな可能性を秘めている。

また、サイバーセキュリティ分野への投資も非常に重要である。今般、各国がサイバー攻撃の脅威にさらされており、あらゆる備えが必要である。現在、多くの国、国際機関がルクセンブルクに「データ大使館」を設置している。すなわち、セキュリティレベルが高いルクセンブルクにすべてのデータのバックアップを取っておくことで、自国がサイバー攻撃を受けた際の備えとしている。

【国際経済本部】