Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年12月1日 No.3569  投資促進を通じた日ラオス経済関係の強化に期待 -カムチェーン・ラオス計画投資相と懇談/アジア・大洋州地域委員会

カムチェーン大臣

経団連のアジア・大洋州地域委員会(伊藤雅俊委員長、原典之委員長)は11月8日、ラオスのカムチェーン・ヴォンポーシー計画投資大臣一行の来日の機会をとらえ、懇談会を開催した。カムチェーン大臣はじめラオス側出席者の主な発言は次のとおり。

■ カムチェーン大臣

近年、日本とラオスの政府ならびに企業関係者間の交流は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で途絶えていたが、今般入国制限が緩和され訪日できた。良好な二国間関係をより緊密にし、日本の発展から多くのことを学びたい。

ラオスは第9次経済・社会開発計画を策定した。現在、それに則り、財政問題解決や麻薬撲滅などを推進している。コロナ禍により国境を接する国との往来は困難となり経済はやや減速したが、ラオス政府は、高速道路、鉄道、空港、陸上港(ドライポート)、経済特区の開発に積極的に取り組んでいる。この機会に、ぜひラオスの開発政策について理解を深め、投資を一層拡大してほしい。

■ ノリンサ計画投資省投資促進局長

ラオスの実質GDP成長率は、新型コロナ前は6~7%と、アジアのなかでも高い数値を記録していた。2020年の成長率はコロナ禍の影響を受けるなかでも0.5%、21年は3.6%とプラスを維持し、22年は4~4.5%を見込む。

ラオスは世界中からの投資を歓迎する。現在までに53カ国から投資を受け入れており、代表的な分野は、電力、鉱山、サービス、工業、農業などである。ラオスは、最新テクノロジー、グリーン、有機農業、環境配慮型加工、教育・人材育成、インフラ整備など九つの分野への投資に注力しており、輸入税や付加価値税、法人税の減免などさまざまな優遇策がある。日本の投資額は15位で、農業、食品加工、木材加工、サービスなどが多い。経済特区に進出する日本企業もある。日本企業にも優遇策を活用してほしい。

■ ダラヴォン計画投資省経済特区管理局長

ラオスは、経済特区の開発によって経済発展することを重視している。03年には、国際協力機構(JICA)の協力を得て立地に関する調査を行ったうえで、東西経済回廊沿いに位置するサワン・セノに初の経済特区を整備した。現在は22の経済特区が存在する。

経済特区への投資には優先権が与えられ、速やかに認可を判断するとともに、税制優遇措置も得られる。すでに日本からの経済特区への投資も受け入れており、より多くの企業に進出してほしい。

■ ニラサイ公共事業運輸省運輸局次長

ラオスは海に接していない内陸国である。あらゆる分野で重要な物流面において、ラオスは資本不足という最大の課題に直面しており、解決を図ろうとしている。隣国との円滑な物流を実現する良好な道路や橋梁、貨物の積み替え用設備が必要だが、関連する法律が未整備であり、運輸行政にあたる人材も不十分である。

そこで、JICAの協力を得てドライポートの立地調査を行った結果、9カ所に建設することを決定し、うち3カ所はすでに完工している。一方、検査・支払いシステムなど、必要なIT化には十分に対応できていない。日々の運営を通じて、多くの課題の改善を進めている。日本の協力を得て、物流インフラを充実させていきたい。

【国際協力本部】