Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年2月16日 No.3579  十倉会長がコーマンOECD事務総長と懇談

コーマンOECD事務総長(左)と十倉会長

経団連の十倉雅和会長は1月23日、東京・大手町の経団連会館で、訪日したマティアス・コーマン経済協力開発機構(OECD)事務総長一行の訪問を受け、現下の世界情勢におけるOECDと経団連の連携のあり方等をめぐり意見交換した。

冒頭、十倉会長から、経団連は自由で開かれた国際経済秩序の再構築を目指しており、2023年5月のG7広島サミットに先立って4月に開催するB7東京サミットの際、自由貿易投資クラブの立ち上げを提唱すると説明。OECDは国際ルールの策定において重要な役割を担っており、OECDの公式諮問機関であるBusiness at OECD(BIAC、経済産業諮問委員会)のメンバーとして、今後も協力したいと述べた。また、改訂作業が進むOECD多国籍企業行動指針について、企業は社会性の視座を持って人権や環境に配慮する必要があるが、検討されているデュー・ディリジェンスの強化は企業の実務上、対応が困難なため、BIACや経団連の意見を十分考慮してほしいと求めた。

これを受けてコーマン事務総長は、OECDとしては、ルールに基づく国際貿易への強いコミットメントを継続しており、十倉会長の指摘に賛同すると応えた。そのうえで、経済成長の著しいアジア・太平洋地域は、同時に圧力にもさらされており、この地域で、民主主義や市場経済の原則を守るため、有志国と連携した対応が重要であることから、日本の政府、経済界との関係を強化したいと強調した。また、OECDはファシリテーター役であるので結論を予断できないと前置きしたうえで、多国籍企業行動指針の改訂に関する経済界の懸念については承知しており、指摘の点は確実に検討する、どのような指針も企業の現場で実施可能なものであるべきと述べた。最後に、24年は、日本のOECD加盟60周年であり、祝賀行事を検討したいと締めくくった。

【国際経済本部】