Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年2月16日 No.3579  宮坂東京都副知事との懇談会を開催 -スタートアップ委員会

宮坂副知事(左)と髙橋委員長

経団連は1月24日、宮坂学東京都副知事を招き、スタートアップ委員会(南場智子委員長、髙橋誠委員長、出雲充委員長)を開催した。東京都は、スタートアップと共に新しい時代を切り拓き、東京の課題解決と成長につなげる取り組みを徹底的に進めていくための新たな戦略として、2022年11月24日に「Global Innovation with STARTUPS」を策定している。宮坂副知事から同戦略に関する説明を聴くとともに意見交換した。経団連会員企業およびスタートアップから約130人が参加した。概要は次のとおり。

■ 挑戦者を応援する東京へ

魅力的な都市となるためには、挑戦者が多く集まっていることが不可欠である。ビジネスにおける挑戦がスタートアップであり、文化やスポーツ、エンターテインメントなどのあらゆる分野で挑戦者が求められる。

東京都が行うべきことは挑戦者の数を増やすことである。そこで、スタートアップを応援する都市となるべく、同戦略を取りまとめた。挑戦者が挑戦しやすくなる都市、世界中の人が東京で挑戦したいと思ってもらえるような都市を目指す。

■ 未来を切り拓く10×10×10のイノベーションビジョン

経団連の「スタートアップ躍進ビジョン」が掲げた「10X10X」という目標(5年後までにスタートアップの裾野・起業の数と成功のレベルをともに10倍にするという目標)は非常にわかりやすく、東京都としても戦略策定にあたって参考にした。

東京都が掲げる「10×10×10」のビジョンは、経団連と方向を同じくする「裾野拡大」と「グローバル」での活躍を5年で10倍という目標に、さらにスタートアップと行政がパートナーとなる「官民協働」の10倍を加えたもの。

日本国内市場をターゲットとしたスタートアップに加え、グローバル市場で大きく飛躍するスタートアップを数多く生み出すことを目指し、同ビジョンに基づく大胆な施策を展開することで成長と社会への変革を生み出したい。

■ 東京にスタートアップエコシステムを

東京にあったエコシステムを官民が一体となって構築していく必要がある。これまでは産業強化のために工業団地を造成していたが、いまやエコシステムという目には見えないが確かにそこにあるものから、経済や雇用が生まれている。イノベーションは異なる立場の人が対等に対話し、アイデアを新結合して生み出すもの。行政が決めたものを一方的に提供するのではなく、双方向に議論しながら政策をブラッシュアップしていきたい。

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宮坂副知事は続いて、シード期のスタートアップに対する資金支援や、行政による積極的なスタートアップの製品・サービスの活用、起業家教育の推進、ワンストップ窓口を通じたサポートなど、具体的な政策を紹介した。また、東京都が2月27、28の両日に開催する、国内外の大企業やスタートアップ、ベンチャーキャピタル、行政関係者などが一堂に会するグローバルイベント「City-Tech.Tokyo」の準備状況を説明。同イベントへの積極的な参加を求めた。

髙橋委員長は、「東京都の本気を感じる戦略である。スタートアップ振興は国と東京都と経団連が一体で取り組んでおり、ぜひこれからも連携して盛り上げていきたい」と応じた。出雲委員長は、「東京都がスタートアップのグローバル展開の窓口となるよう、皆さんにも各施策を活用してもらいたい」と出席者に呼びかけた。

【産業技術本部】