Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年3月9日 No.3582  スリ・ムルヤニ・インドネシア財務相と懇談 -今後の日尼経済協力等をめぐり議論/日本・インドネシア経済委員会

スリ・ムルヤニ大臣

経団連は2月13日、東京・大手町の経団連会館で日本・インドネシア経済委員会(垣内威彦委員長、柿木真澄委員長)を開催した。スリ・ムルヤニ・インドラワティ・インドネシア財務大臣から、最近のインドネシアの経済見通しや今後の財政政策等について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ インドネシア経済は堅調

世界経済の回復は、新型コロナウイルス感染症の影響や、地政学的複雑さもあり、非常に不透明となっている。多くの国の経済が弱含むなか、インドネシア経済は、中間層の拡大、天然資源の価格上昇等が相まって、比較的堅調であり、2023年は、5%程度の成長を見込んでいる。

日本の対インドネシア投資は、ジャワ島を中心になされているが、他国の投資傾向としては、ジャワ島以外の島にもシフトする動きがみられる。その分野も鉱物関連などの川下産業に拡大している。

■ 人材やグリーンエコノミーへの投資を加速

インドネシアは、人材育成への投資やインフラ投資等の推進により、経済の再活性化を目指している。また、グリーンエコノミーへのトランジションの重要性を認識しており、石炭火力から再生可能エネルギーへの移行を進めるため、アジア開発銀行(ADB)から支援も受けている。

電気自動車・二輪車におけるエコシステムの強化のため、外資企業による投資を呼び込むとともに、消費を喚起している。投資に関しては、他国と比較して優位性のある税制上のインセンティブを用意している。

新首都ヌサンタラプロジェクトについては、24年から政府・官庁関連の機能を移転する計画である。各種プロジェクト等において、インドネシア企業にのみ特権が与えられるようなことはなく、外資企業の参入を歓迎している。また、新首都については、22年、新法を制定するなど中長期的に強い法的基盤を備えたところであり、首都移転につき、高い予見可能性を担保している。プロジェクトに参画する企業には、関連するさまざまなインセンティブを用意しているので、ぜひ活用してほしい。

【国際協力本部】