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Policy(提言・報告書) 総合政策 当面の課題に関する考え方 (2019年5月)

2019年5月7日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.日本経済の現状と見通し

景気は、中国経済をはじめとする海外経済の減速や米中貿易摩擦の影響を受けて、輸出・生産での弱い動きや、企業マインドの一部に悪化がみられるものの、緩やかな回復傾向は継続。企業の生産活動や収益は、足もとで足踏み状態にあるが、高い水準にある企業業績のもとでの設備投資の持ち直し、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の持ち直しの動きなどを背景に、先行きも回復傾向が続くことを期待。ただし、米中貿易摩擦に起因する海外経済の先行きや中国経済の動向、国内外の金融資本市場の動向、欧州の政治情勢とその影響、地政学的なリスクには留意が必要である。

2.Society 5.0の実現

デジタル革新と多様な人々の想像力・創造力の融合により、社会課題の解決と新たな価値の創造を図る未来の社会の姿=Society 5.0を、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献する日本発のコンセプトとして、世界に発信する。同時に、経済社会のあらゆる側面でのデジタル革新と多様化を進め、国内外の多様な主体と連携してSociety 5.0の実現に取り組む。このため、さまざまな産業・分野におけるSociety 5.0の具体像とその実現に向けたロードマップを経団連を挙げて検討し、示していく。

3.働き方改革とダイバーシティの推進

働き方改革関連法への企業の対応を支援するため、政府に様々な働きかけを行うとともに、裁量労働制の対象拡大のための法案の再提出を求めていく。さらに政府における女性活躍推進法の見直しおよびハラスメント防止対策、新たな外国人材の受入れ制度への動きに対応する。この他、今後求められる人材像や中長期的な採用、大学教育改革のあり方等について、大学との対話を進める。また、女性の活躍を通じた消費の拡大、市場の創出(ウーマノミクス)を推進するとともに、LGBTの人々への配慮や、若者、高齢者、外国人、障がい者など多様な人材の活躍促進(ダイバーシティ)に取り組む。

4.米国、欧州、ロシアとの経済関係

米国との経済関係を強化すべく、二国間通商交渉の進展も睨みながら、様々なレベルで米国とのコミュニケーションを密にしていく。アジア太平洋地域における貿易投資に関するルールづくりを推進するため、昨年末に発効したTPP11の参加国の拡大を求めていく。2月に発効した日EU EPAを基盤に欧州との協力関係を深化・拡大させる。甚大な影響を及ぼす無秩序な英国のEU離脱を回避し、現状を維持することを最優先すると共に、離脱後の英国とEUの緊密な関係を構築する枠組みを移行期間終了直後に発効させるよう、対応を求めていく。ロシアとの8項目の「協力プラン」の実現に積極的に協力するとともに、ロシアにおけるビジネス環境の改善を引続き働きかけていく。

5.アジア諸国との経済関係

世界経済のけん引役として期待される、中国、インド、ASEANをはじめとするアジア諸国との緊密で互恵的な関係を更に強化・発展させていくことは、わが国の成長戦略としても極めて重要である。経団連としても、地域経済統合の推進、インフラ整備の促進をはじめ、各国の官民リーダーとの政策対話を通じて、協力関係の促進に取り組んでいく。

6.国家的イベントの成功

間近に迫った東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪・関西万国博覧会等の成功を、日本経済活性化の起爆剤とすべく、政府や関係組織と一体になって取り組む。

7.中長期のエネルギー・温暖化戦略策定

パリ協定に基づく長期戦略策定において、環境と成長の好循環を目指す観点から、複線シナリオの下でイノベーションを追求し、温室効果ガスのグローバルな削減につなげることを求める。エネルギー政策に関し、提言「日本を支える電力システムを再構築する」に基づき、わが国固有の事情を踏まえS+3Eを同時達成すべく、強靭なエネルギー供給に向けた投資環境整備や、国際的に遜色ない価格での安定したエネルギー供給の実現を求めていく。

以上

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