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Policy(提言・報告書) 総合政策 当面の課題に関する考え方 (2019年11月)

2019年11月11日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.日本経済の現状と見通し

景気は、中国経済をはじめとする海外経済の減速や米中貿易摩擦の深刻化を受けて、輸出・生産等で弱さがみられるとともに、景況感は足もとで悪化傾向にある。他方、内需を支えるファンダメンタルズは堅調であり、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の持ち直しの動き、設備投資の底堅さなどを背景に、今後も緩やかな回復傾向が続くことを期待する。ただし、米中貿易摩擦の深刻化に伴う海外経済の先行きの不透明さや、輸出・生産の動向、消費税率引上げ後の動向、相次ぐ自然災害の影響、国内外の金融資本市場の動き、欧米の政治情勢とその影響、地政学的なリスク等に留意が必要である。

2.Society 5.0の実現

デジタル革新と多様な人々の想像力・創造力の融合により、社会課題の解決と新たな価値の創造を図る未来の社会の姿=Society 5.0を、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献する日本発のコンセプトとして、国内外に発信し普及浸透を図る。同時に、経済社会のあらゆる側面でのデジタル革新と多様化を進め、国内外の多様な主体と連携してSociety 5.0の実装を加速する。このため、産業構造の変化を含めたSociety 5.0の具体像とその実現に向けた取り組みを、経団連を挙げて検討し、実行していく。

3.エネルギー・環境問題

国内外の状況やわが国固有の事情を踏まえS+3Eを同時達成すべく、レジリエントなエネルギー供給に向けた投資環境整備や、国際的に遜色ない価格での安定したエネルギー供給の実現の一環として、持続可能な電力システム構築や再生可能エネルギーの主力電源化に向けた制度改革を働きかける。パリ協定の実効性と国際的な公平性の確保や、長期戦略を踏まえた民主導のイノベーションを軸とした気候変動政策の推進を求めるなど、環境と成長の好循環の実現に取り組む。レジ袋有料化義務化の制度改正及び実施に際し、事業者の準備期間や消費者への周知期間を考慮し、混乱をきたすことがないよう働きかける。

4.働き方改革とダイバーシティの推進

働き方改革関連法への企業の対応を支援するため、政府に様々な働きかけを行うとともに、裁量労働制の対象拡大のための法案の再提出を求めていく。さらに改正女性活躍推進法や改正労働施策総合推進法等(ハラスメント防止対策)の指針審議、新たな外国人材の受入れ制度への動きに対応する。この他、今後求められる人材像や中長期的な採用、大学教育改革のあり方等について、大学との対話を進める。また、女性の活躍を通じた消費の拡大、市場の創出(ウーマノミクス)を推進するとともに、LGBTの人々への配慮を含む、若者、高齢者、外国人、障がい者など多様な人材の活躍促進(ダイバーシティ)に取り組む。

5.米国、欧州、ロシアとの経済関係

先般署名された日米貿易協定等の早期発効を働きかけるとともに、同協定等に基づき、米国との経済関係を一層強化すべく、様々なレベルで米国とのコミュニケーションを密にする。また、米中関係や機微技術に関わる政策動向を注視していく。アジア太平洋地域における貿易投資に関するルールづくりを推進するため、TPP11の参加国の拡大を求めていく。日EU EPAを基盤に欧州との協力関係を深化・拡大させる。英国のEU離脱については、来たる総選挙の結果をふまえ、混乱とマイナスの影響が生じないよう、対応を求めていく。ロシアとの8項目の「協力プラン」の実現に積極的に協力するとともに、ロシアにおけるビジネス環境の改善を引続き働きかけていく。

6.アジア諸国との経済関係

世界経済のけん引役として期待される、中国、インド、ASEANをはじめとするアジア諸国との緊密で互恵的な関係を更に強化・発展させていくことは、わが国の成長戦略としても極めて重要である。経団連としても、地域経済統合の推進、インフラ整備の促進をはじめ、各国の官民リーダーとの政策対話を通じて、協力関係の促進に取り組んでいく。

7.国家的イベントの成功

間近に迫った東京オリンピック・パラリンピックの成功を、日本経済活性化とその後の成長につなげるべく、政府や関係組織と一体になって取り組む。

8.防災・減災、国土強靭化

近年の大規模自然災害を踏まえ、被災者救済や被災地域の復旧はもとより、防災・減災、国土強靭化に万全を期する必要がある。わが国のレジリエンスの一層の向上に向け、「国土強靭化基本計画」の着実な実行に加え、デジタル技術のさらなる活用やイノベーション推進を含めた必要な対策の早期策定を働きかけるとともに、企業の取り組みを促進する。

以上

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