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会長コメント/スピーチ 会長コメント 2023年春季労使交渉・集中回答日における十倉会長コメント

2023年3月15日
一般社団法人 日本経済団体連合会

今年の春季労使交渉は、「物価動向」への対応が社会的に強く求められるという近年に経験のない状況で行われている。そこで経団連は、各企業が「賃金決定の大原則」に則って検討をする際、「物価動向」を最も重視しながら、ベースアップなど月例賃金引上げや諸手当、賞与・一時金など多様な選択肢から自社に適した積極的な対応を図るよう呼びかけている。

こうした中、今年は早い時期から、ベアを長年行っていなかった企業の実施表明や大幅な賃金引上げの宣言など、近年と明らかに異なる動きがみられた。さらに本日、自動車や電機等の大手企業が、約30年振りといえる大幅なベースアップや、満額回答を含む高い水準の賞与・一時金など、物価上昇を十分に考慮した積極的な対応を表明されたことは、賃金引上げのモメンタムにこれまで以上の力強さを与えるものであり、率直に歓迎したい。

本日の回答が、中小企業など、これから労使交渉の佳境を迎える多くの企業における前向きな検討への追い風となり、賃金引上げのモメンタムのさらなる強化につながっていくと確信している。

加えて、わが国全体の賃金引上げの気運醸成に不可欠な中小企業の賃金引上げに向けて、経団連は「パートナーシップ構築宣言」に参画する企業の拡大と実効性の確保を引き続き働きかけるなど、中小企業を含むサプライチェーン全体の環境整備に貢献してまいりたい。

最も重要なことは、今年を起点の年として賃金引上げの前向きな取組みを来年以降も継続し、構造的な賃金引上げを実現することである。そのためには、持続的な経済成長が不可欠である。国内投資を活性化させると同時に、賃金引上げを通じて消費を喚起・増大させ、デマンドプル型のインフレを実現するとともに、将来への安心確保のために全世代型社会保障改革の断行が必要である。こうした政府による環境整備を受けて、経団連は賃金引上げのモメンタム維持・強化に今後も取り組んでいく。

以上

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