経団連くりっぷ No.133 (2000年10月12日)

防衛生産委員会(委員長 増田信行氏)/9月18日

平成13年度防衛関係予算概算要求

−防衛庁 中村装備局長よりきく


現在、防衛庁では、次期中期防衛力整備計画(平成13〜17年度)の検討作業が進められており、先般、同計画の初年度にあたる平成13年度防衛関係予算概算要求がとりまとめられた。そこで、防衛生産委員会では、防衛庁装備局の中村 薫 局長より、平成13年度防衛関係予算概算要求等について説明をきいた。また、当日は、意見書「次期中期防衛力整備計画についての提言」の審議・とりまとめを行なった。(6頁参照)

○ 中村局長説明要旨

  1. 平成13年度防衛関係費概算要求
  2. 平成13年度防衛関係費概算要求額は、前年比699億円増(1.4%増)の4兆9,916億円となった。近年、防衛関係費に占める人件・糧食費の割合が増加傾向にあり、退職者の増加等により、平成15年までは人件費の拡大が予想される。新規後年度負担要求額は1兆8,580億円で、輸送機(C−1)、固定翼哨戒機(P−3C)の後継機の開発も含まれる。

  3. IT革命に対応した防衛力整備
  4. 第1に、IT革命を活用した高度なネットワーク環境の整備のため、防衛情報通信基盤やコンピュータシステムの共通運用基盤の整備により、各自衛隊のシステム統合をはかる。
    第2に、情報・指揮通信の強化のため、中央指揮システムの整備等を行ない、中央から第一線までの情報共有等を目指す。
    第3に、コンピュータ・セキュリティの確保については、従来から取り組んでいるが、技術的および人的基盤の整備により、セキュリティの一層の強化をはかる。その他、装備品等のライフサイクルコスト抑制のため、CALSの導入により、調達等に係る情報の電子化を推進する。

  5. 各種災害への対応
  6. 都市部、積雪山間部、島嶼部における災害や特殊災害などの各種災害への適切な対応をはかると同時に、災害派遣即応部隊として、全国で常時2,700人規模の部隊を指定し、災害時に機動的に対応できるようにする。

  7. 予備自衛官制度の拡充
  8. 従来、退職自衛官のうち志願者より選考していた予備自衛官を安定的に確保し、民間の優れた専門技術を有効に活用するため、予備自衛官制度への公募制の導入をはかる。同時に、予備自衛官を災害派遣時にも活用できるようにする。

  9. 来年度予算の焦点
  10. 来年度予算要求の焦点としては、輸送機(C−1)、固定翼哨戒機(P−3C)の後継機の開発と空中給油・輸送機の導入がある。そのうち、C−1とP−3Cの後継機に関しては、基本設計の一部と試験用エンジンの研究を要求している。


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