経団連くりっぷ No.160 (2001年12月13日)

今井会長の発言から


11月19日(月)
産学官の連携推進のため、大学、研究機関、企業の相互理解を深めていきましょう
−第1回産学官連携サミット

「わが国企業が、技術革新を進め、国際競争を勝ち抜いていくためには、基礎、応用、事業化のレベルに至るまで、研究の各段階におけるインタラクションが大変重要です。企業としても、自前主義から脱却する一方、産学官それぞれにとってメリットのある形での連携が求められています。
また、柔軟かつスピーディな対応をできるように、大学の自由度を拡大するとともに、大学と企業が相互に信頼しあう関係づくりも大切です。しかし、両者の間には、いまだに距離があり、突っ込んだ対話が欠けているというのが現状です。
その意味で、大学、研究機関、企業の代表者が一堂に介し、相互理解をはかる場が設置されたことは意義深いことです。産学官の連携推進のため、研究開発部門の方々の努力とともに、組織のトップが連携への強い意志を持つことも大変重要です。是非とも、こうした取組み姿勢を社内に発信してください。
皆さんが思いを一つにして、産学官の連携に取り組むことで、わが国の大学の頭脳を、豊かな社会の実現に役立てることができると確信しています。」

11月20日(火)
タイは日本にとってアセアンの重要な投資先であり、外資優遇策の継続をお願いします
−タクシン タイ王国首相との朝食懇談会

「日本からのタイへの投資は、タイに対する外国投資額の4〜5割を占めており、両国の経済関係の深さを如実に示しています。こうした点を踏まえ、4月にバンコクを訪問した際も、タクシン首相に外資優遇政策の継続をお願いし、ご理解を得た次第です。
近年では、世界からの中国向け投資がアセアン向け投資を大幅に上回ってきています。さらに、中国の製造業の目覚しい発展ぶりが注目され、日本経済やアジアの国際分業体制への影響について、さまざまな意見が出されています。中国とアセアンとの自由貿易協定の話も、そうした観点から注目されています。
日本企業としては、対中投資と対アセアン投資のバランスを考えながら、日本、アセアン、中国が、それぞれの得意分野を活かした共存関係を構築していくことが重要と考えています。タイについては、アセアンにおける最も重要な投資先の一つとして引き続き位置付けています。」(5頁参照


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