日本経団連タイムス No.2767 (2005年5月19日)

日本経団連・経済広報センター共催「環境技術シンポジウム」

−講演やパネル討議展開/省エネ技術への理解深める


日本経団連と経済広報センター(奥田碩会長)は4月26日、共催で環境技術シンポジウム「みんなで取り組む温暖化対策――技術と工夫で減らせるCO!」を開催した。企業の担当者や生活者ほか、国会議員や大使館関係者ら515名が参加し、地球温暖化問題に対する関心の高さをうかがわせた。また、シンポジウム会場両脇のラウンジでは、業界団体・企業の温暖化対策をテーマにした展示会が併催され、パネルや模型を通して、生活に身近な省エネ技術などへの理解を深める場となった。

シンポジウムでは、山本一元・日本経団連環境安全委員会共同委員長が開会あいさつ(5月12日号既報)を行った後、キャスター・エッセイストの福島敦子氏が、『私の取材手帳から 〜環境の世紀、21世紀のライフスタイルを考える〜』と題した基調講演を行った。

福島氏は、企業トップや自治体、農村の自然保護運動などに対する取材経験に基づき、生活者の視点から環境問題にどう取り組むべきかについて提案。エネルギーの有限性をより意識すること、例えば、待機電力の消費を抑制したり、過剰包装を断るといった、国民1人ひとりが暮らしの中でできる省エネ対策を紹介した。
また、イタリアの「スローフード運動」を紹介しながら、自然との関わりを見直してみることが、環境問題への取り組みにつながると強調した。

その後、第2部のパネルディスカッションのコーディネーターを務めた藤沢久美シンクタンク・ソフィアバンク副代表がパネルディスカッションに先立ち、家庭や職場といった、日常生活で何気ない自身の行動を振り返り、CO削減への取り組みについて語った。藤沢氏は、「シャワー1分間の水量は、人間が1日に必要とする水の5〜6日分に相当する」「車に詰め込んでいるゴルフセットなどの無駄な荷物を降ろすことでさえ、CO削減につながる」などといったトピックスを挙げて紹介した。
パネルディスカッションでは、9つの業界団体を代表したパネリストが、各業界の温暖化対策について説明した上で、これまでの取り組みに対する効果を報告。各団体とも、環境技術の進展を紹介し、それに伴う企業側の努力や姿勢について、熱く語った。

最後に、日本経団連環境安全委員会の桝本晃章・地球環境部会長は、「21世紀の企業は、社会を省エネ型にするために、製品やシステムを社会に提供する役割を持っている」と述べた上で、「企業を育てるのは社会。安全・環境が価値基準として求められつつある中、これらを商品選択の基準として社会が活かしてほしい」と総括した。

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同シンポジウム・展示会の報告書については、経済広報センターで作成中。希望者には無料で配布予定。報告書の申し込み・問い合わせは、経済広報センター(Eメール=kankyo@kkc.or.jp、電話 03-3201-1412、ファクス 0120-26-1533)まで。

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