日本経団連タイムス No.2769 (2005年6月2日)

日本経団連・第4回定時総会を開催

−「2005年度事業計画」「決議」を了承


日本経団連(奥田碩会長)は5月26日、東京・大手町の経団連会館で第4回定時総会を開催した。総会には日本経団連の会員約600名が出席。開会あいさつで奥田会長は、日本経団連は政策提言力と実行力をさらに高め、「民主導・民自律型の経済社会」の実現に向けて改革の動きをリードしていくとの決意を表明した。また、小泉純一郎首相、中川昭一経済産業大臣、町村信孝外務大臣、谷垣禎一財務大臣が来賓としてあいさつを行った。その後、2004年度の事業報告・収支決算や、2005年度の事業計画・収支予算、役員等の選任、新経団連会館の建設、『新しい成長の基盤を創る』と題する決議などを諮り、全会一致で了承。4年目を迎える日本経団連の新体制と活動方針が決定した。

新副会長3氏らの選任も

冒頭あいさつで奥田会長は、経済人は景気回復という短期的問題だけでなく地球環境問題や人口減少社会の到来などの中長期的課題も踏まえ、変化を先取りして積極果敢に経営革新に取り組んでいく必要があると述べた。
また、日本は「国際社会から信頼・尊敬される国家」をめざし真摯な改革に取り組むべきであるとし、日本企業はこうしたことに留意しつつ、グローバル競争に臨む必要があるとの考えを示した。
さらに、国内の重要課題として、超高齢社会・少子化の進行を挙げ、このうち少子化への対応については、05年度に「少子化対策委員会」を新設し、考えを取りまとめることを明らかにした。
加えて奥田会長は、政党の政策評価に基づく政治寄付の促進や、企業倫理の徹底への取り組みについて、会員に理解と協力を求めた。

議案の審議では、理事、常任理事、評議員の役員等の補充選任、04年度事業報告と収支決算、05年度事業計画と一般会計収支予算、05年度会館事業計画と事業会計収支予算、05年度21世紀政策研究所事業計画と収支予算――に関する件について諮り、承認を得た。

次に、役員等の選任に移り、副会長を退任する千速晃・新日本製鐵会長、西室泰三・東芝会長、吉野浩行・本田技研工業取締役相談役に代わり張富士夫・トヨタ自動車社長、岡村正・東芝社長、三村明夫・新日本製鐵社長を副会長に選任。また、評議員会副議長を退任する鈴木敏文・イトーヨーカ堂会長兼CEOと、高原慶一朗・ユニ・チャーム会長に代わり、西室泰三氏と氏家純一・野村ホールディングス会長を副議長に、そして、監事を退任する有富慶二・ヤマト運輸会長に代わり山崎篤・ヤマト運輸社長を選任した。
このあと、新経団連会館建設に関する議案が了承された。

議案の最後として、『新しい成長の基盤を創る』と題する総会決議について、御手洗冨士夫副会長が説明に立ち、決議の前文は、さまざまな情勢変化に対応できる経済の骨組みをつくりあげることが重要であるとの認識を示し、政治との透明な関係構築や企業倫理の確立、企業の社会的責任への積極的取り組みを行っていくとの決意を表明していると述べた。また、「企業の力を引き出す」「国を支える産業をつくる」「人を活かす社会をつくる」の3つの切り口で具体的政策課題を整理していると説明、全会一致で決議を承認し、第4回定時総会は閉会した。

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