経団連タイムス No.3049 (2011年7月14日)

リーダーシップとマーケティングテーマに2日間の合宿講座を開催

−日本経団連グリーンフォーラム


グループに分かれ討議するメンバー

第6期「日本経団連グリーンフォーラム」が8、9の両日、都内の研修施設で合宿講座を開催した。1日目は、同フォーラムのアドバイザーでもある関島康雄・3Dラーニング・アソシエイツ代表が「変革をつくるリーダーシップ」をテーマに講座を実施。2日目は菅野誠二・ボナ・ヴィータ代表が「ソーシャル・バリュー・マーケティング」と題した講座を行った。

1日目の講座を担当した関島氏はまず、「5年後、あなたは何をしていたいか」との質問をメンバーに投げかけ、5年後の自らのイメージを3分間で他者に説明するトレーニングを実施。イメージできないことはマネジメントできないと指摘し、イメージトレーニングの重要性を語った。そのうえで、情報技術の進歩により、ターゲットとする顧客層に最適な顧客価値を提供し対価を得るという明確な戦略を持つ「ビジネスモデル」の構築が、競争の勝負を左右する時代になっていると説明。そのようなビジネスモデルや競争戦略を構築し実行するうえで、リーダーシップは不可欠であると述べた。

また、リーダーシップとは、リーダーの行動とフォロワーの受け止め方の間に存在する「プロセス」であるとして、リーダーとマネージャーの違いを示し、高いレベルの言行一致など必須要件を普段から心に留めて自らを磨くことで、誰もが信頼できる頼もしいリーダーとなり得ることを強調した。

合宿2日目の講座を担当した菅野氏は、近年、インターネットなどを介した消費行動モデルの変化に伴い、企業マーケティングは、従来の“顧客中心”から、企業と顧客の立ち位置がフラット化し、“口コミ”のように両者の協働が行われる“顧客のつながり・社会中心”に変化していると指摘。また、企業戦略をもとに、課題の抽出から実施・管理までを一つのサイクルととらえる「マーケティング・マネジメント・サイクル」を概括したうえで、サイクルを構成する、(1)事業課題の抽出(2)顧客価値の選択(3)価値創造と伝達(4)戦略の実施とフィードバック――の各ステップについて、詳細な説明を行った。

菅野氏の講義を受け、メンバーはグループに分かれて、ケーススタディーを実施。課題として設定された商品について、マーケティング手法をメーカー、小売店など各々の立場で検討。課題解決に向けてグループごとに提言や具体策を提案し、菅野氏のフィードバックを受けた。

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日本経団連グリーンフォーラムは、マネジメントスキルを体系的に学ぶ実践的なプログラム。5月の開講から来年3月まで毎月、グループワークを交えた講義を実施する。
グリーンフォーラムに関する問い合わせは日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

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