経団連タイムス No.3061 (2011年10月27日)

細野環境相との懇談会開催

−地球温暖化や循環型社会、生物多様性などで意見交換


経団連(米倉弘昌会長)は19日、東京・大手町の経団連会館で細野豪志環境大臣との懇談会を開催した。環境省からは細野大臣をはじめ、高山智司大臣政務官らが、経団連からは米倉会長をはじめ、渡文明評議員会議長、副会長、評議員会副議長らが出席した。

発言する米倉会長(右)と細野環境相

冒頭、米倉会長は、長引く低成長とデフレ、行き過ぎた円高、経済連携協定への取り組みの遅れといった従来からの問題に加え、震災からの復旧・復興という大きな課題に直面し、わが国が戦後最大の危機にあると指摘。がれきの撤去や土壌の除染など、被災地の早期の復旧・復興に向けた取り組みを加速するよう求めた。さらに、温暖化問題に関しては、すべての主要排出国が責任あるかたちで参加する、公平なポスト京都の国際枠組の実現を目指すことを要望するとともに、政府のエネルギー政策の見直しとあわせて、「90年比25%削減」というわが国の温室効果ガス排出量の中期削減目標を再検討することを求めた。

続いて細野大臣が、原発事故の収束、除染や廃棄物処理に向けた産業界との連携を要請したうえで、「ポスト京都の国際枠組に関しては、京都議定書の第二約束期間には賛同できず、すべての主要国が参加する公平かつ実効的な枠組みの構築を目指す姿勢に変わりはない」としつつ、「地球温暖化対策税や地球温暖化対策基本法案など、経団連と方向性を異にする政策があることは承知のうえで、国内対策もしっかり講じていきたい」と述べた。

<意見交換>

意見交換では、経団連側から、「国連気候変動交渉において90年比25%目標が独り歩きすることを非常に懸念。国際社会も日本の置かれている現状は承知しているので、見直し宣言を明確に行うべき。また、国内対策については、地球温暖化対策税や排出量取引制度などによって、世界最高水準のエネルギー効率を達成している企業がペナルティーを払わなければならない事態は避けるべきであり、ポスト京都における産業界の主体的な取り組みである低炭素社会実行計画を政府の温暖化対策の柱に位置付けてほしい」(坂根正弘副会長・環境安全委員長)、「昨年名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議の成果を踏まえ、民間の参画を促す取り組みを世界的にも広めていきたい。環境省と協力して、今年12月に東京で開催される第1回生物多様性民間参画グローバル・プラットフォーム会合を成功させたい」(大久保尚武副議長・自然保護協議会会長)などの発言があった。

【環境本部】
Copyright © Keidanren