経団連タイムス No.3063 (2011年11月10日)

JAグループと懇談会開催

−TPPや農業の競争力強化に向けた連携などで意見を交換


あいさつする萬歳JA全中会長

経団連(米倉弘昌会長)は9日、都内のホテルでJAグループと懇談会を開催した。JAグループからは全国農業協同組合中央会(JA全中)の萬歳章会長、村上光雄副会長、飛田稔章副会長らが、経団連からは米倉会長をはじめ、関係の副会長らが出席した。

冒頭、米倉会長は、わが国経済の真の再生と持続的成長を実現するためには、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に早期に参加すべきと指摘した。そのうえで、TPPをめぐっては、一部で農業界と経済界が対立の構図でとらえられているが、お互い連携・協力して、農業の競争力の強化と成長産業化を図っていきたいと述べた。

これに対して萬歳会長は、TPPのような国家のあり方にかかわる重大事項を情報開示もなく、国民的議論も行わないまま判断することはわが国の歴史に禍根を残すことになると懸念を示した。そのうえで、何よりも優先すべきは東日本大震災からの復興であり、TPPの参加検討を行うことは許されないと述べた。

その後、経団連の大橋洋治副会長から、経済連携の推進とTPPへの早期参加の重要性、経団連の農商工連携の取り組みなどについて、JA全中の飛田副会長から、TPPに対するJAグループの考えについて説明があった。

■ 意見交換

続く意見交換では、経団連側から、「東北の被災地の農業の復興について、経済界としても協力していきたい」「農業の競争力強化とTPPはともに重要である」、JAグループ側から、「最優先課題は、東日本大震災からの復旧・復興である」「農業のあり方は国家のあり方であり、多面的な農業を展開し、食料自給率を高める必要がある」「ゼロ関税というTPPは受け入れられない」などの発言があった。

なお、経団連では、今後も農業界との意見交換を定期的に開催したいと考えている。

【産業政策本部】
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