経団連タイムス No.3063 (2011年11月10日)

米倉会長記者会見


経団連の米倉弘昌会長は7日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

TPPについて問われた米倉会長はまず、TPP交渉への参加をめぐる議論が大詰めを迎えているとの認識を示したうえで、政府はこれまで、TPPに関するさまざまな疑問に対して正しい情報を提供する努力を重ねており、国民の理解も徐々に深まってきたと指摘。引き続きそうした取り組みを続けてもらいたいとの期待を述べた。また、農業の強化は、日本の将来にとって非常に重要で避けて通れないとして、経済界としても引き続き農業関係者と連携し、成長産業たる農業の競争力強化に向け努力していきたいと語った。

欧州の経済情勢について米倉会長は、EUによる支援受け入れに関し、ギリシャが国民投票を回避したことを歓迎。そのうえで、欧州や米国の経済がしっかりしなければ、円高が再び進行する事態となるとの懸念を示し、欧州の政府、金融当局には、引き続き連携の下で、迅速かつ機能的に対応することへの期待を表明した。

電力需給の見通しについて米倉会長は、電力が安定的に供給されなければ、国民生活はもとより、産業、とりわけ製造業に大きな影響が及ぶと指摘。また、今夏は、個人と企業の懸命の努力により何とか乗り越えることができたが、今冬は関西、九州が厳しい状況にあるとし、さらに、来夏も猛暑となれば全国規模での電力不足が懸念されると述べた。また、福島第1原発事故を早期に収束させるとともに、安全性を確認することが重要であり、地元の信認を前提に原発を再稼働させることが望まれると指摘。そうなれば企業もさまざまな投資計画を立てることができると語った。

【社会広報本部】
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