経団連タイムス No.3063 (2011年11月10日)

ドイツ経済代表団と懇談

−エネルギー効率の向上や資源開発などで意見交換


発言するオットー政務次官

経団連の小林喜光ヨーロッパ地域委員会共同委員長は10月24日、東京・大手町の経団連会館で、「日独交流150周年」記念行事に参加するヴルフ大統領とともに訪日した、ドイツのヨアヒム・オットー経済技術省政務次官をはじめとする経済代表団一行と懇談した。

■ 日EU・EIAの重要性で一致

はじめに、小林共同委員長は、日EU経済統合協定(EIA)について、経団連が非関税障壁(NTB)問題の解決に向けて、産業界同士の対話を積極的に推進していることを説明し、早期交渉開始を実現するために、ドイツ経済界の協力を求めた。

オットー政務次官は、ドイツは多国間の取り組みである日EU・EIAを支持しており、課題はあるものの双方が掲げる目標は明確であり、早晩実現可能と考えていると発言し、EIAによる日独、日EU間の貿易投資の拡大に期待を示した。

■ 新興国市場、資源開発、エネルギーシフトに関し日独協力の推進を期待

オットー政務次官は、資源に乏しくイノベーション志向であるなど日独両国の共通点を指摘、さらなる経済関係の強化に連携して取り組むべきとした。具体的には、(1)中国など新興国における協力(2)ドイツがウズベキスタンやモンゴルで進める資源協力の枠組みへの日本の参加(3)ドイツは脱原発に舵を切ったことから、高度な技術を要する再生可能エネルギーの普及やスマートグリッド、エネルギー貯蔵システムの構築など将来のエネルギーシフトにおける協力――を挙げた。

これに対して小林共同委員長は、今年6月に「新興国における日独協力」をテーマに、両国の多国籍企業関係者の参加を得て経団連が開催した日独シンポジウムに触れ、双方は、例えば電気自動車や植物由来の高分子ポリマーなどグリーン・イノベーション分野において、大きな協力可能性を有すると結論付けたことを紹介した。また、日本では短期的には化石燃料への依存度が高まるものの、中長期的なエネルギーシフトを見据えて取り組んでいることを説明し、特に省エネ、蓄エネに関する研究を積極的に推進していることから、ドイツの脱原発政策を踏まえ、互恵的な二国間協力の構築が可能であることを強調した。

【国際経済本部】
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