経団連タイムス No.3063 (2011年11月10日)

タイの日系企業に勤務するタイ人従業員の受け入れ施策聞く

−外国人材受入問題に関するワーキンググループ


経団連は2日、東京・大手町の経団連会館で外国人材受入問題に関するワーキンググループを開催し、タイの日系企業に勤務するタイ人従業員の受け入れ施策について、法務省、厚生労働省、外務省、経済産業省から話を聞いた。これはタイの洪水被害により懸念されているサプライチェーンへの影響を緩和するための緊急措置である。概要は次のとおり。

今回の措置は、タイに工場を有する日系企業に雇用されるタイ人に対し、勤務していた工場が洪水により操業できない場合、在籍出向のかたちで日本にある親会社やグループ企業等で就労することを特別に許可するもの。具体的には、親会社等が確実な帰国担保措置をとっていることや、わが国の税、社会保障、労働関係法令を遵守するなどの条件を満たしている場合などに、6カ月の滞在・就労を認める「上陸特別許可」が付与される。

タイ人の受け入れを希望する企業は、国内の地方入国管理局に相談申込票、来日希望者一覧などの必要書類を提出し、入国のための事前相談を行う。事前相談は11月4日から受け付けており、1週間程度(2週間ほどかかる場合もある)で相談結果を記載した「案内書」が郵送される。「案内書」には提出された来日希望者一覧が添付されており、タイ現地で査証を取得する際に必要となる。査証申請の受け付け、交付はバンコクの日本査証申請センター(JVAC)を通じて行い、申請受付から交付までは原則5営業日を予定している。査証取得後、来日する際には、円滑な入国審査を行う体制を整えるため、事前に地方入国管理局に対しフライト情報を連絡することが必要になる。

タイ人従業員が国内で滞在、就労するにあたり、外国人登録(90日を超えて在留する場合)、労働関係法令(雇用状況届出を含む)、社会保険関係法令など国内法の遵守が求められることにも注意が必要。またタイ人が海外で就労する場合には、タイ政府に海外就労登録をする必要がある。

なお、現地生産設備の操業再開までの期間を活用し、タイ人技術者に対し日本国内で能力向上のために行う研修を支援するため、研修費、滞在費等の一部を補助する事業も海外技術者研修協会(AOTS)を通じて行う。

◇◇◇

手続きの詳細については、次の関係各省のウェブサイトを参照。

◇法務省(入国手続)
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00048.html
◇厚生労働省(労働・社会保険関係法令)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/111102-1.html
◇外務省(査証)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/topics/thai_ukeire1111.html
◇経済産業省(研修生受け入れ支援)
http://www.meti.go.jp/press/2011/10/20111028004/20111028004.html
【産業政策本部】
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